2001 Fiscal Year Annual Research Report
メラノーマ関連抗原を用いたメラノーマ微小転移検出法の開発
Project/Area Number |
13877297
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
杉原 平樹 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20002157)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大久保 佳子 北海道大学, 医学部・附属病院, 医員
山本 有平 北海道大学, 医学部・附属病院, 講師 (70271674)
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Keywords | 悪性黒色腫 / メラノーマ関連抗原 / 微小転移 / センチネルリンパ節 / チロシナーゼ / リンパ節郭清 / 遺伝子 / RT-PCR |
Research Abstract |
メラノーマにおいて最近メラノーマ関連抗原として多くの分子が同定され、血液中やリンパ節での分子生物学的手法による微小転移の検出方法、意義が検討されはじめている。特にRT-PCR法は微量サンプル中に含まれるある特定の遺伝子を同定でき、プライマーの作成も簡単であらゆる遺伝子に対応できるため臨床応用が広い。また近年、乳癌をはじめ各種固形癌での所属リンパ節廓清適応の指標としてsentinel lymph node navigation surgeryの概念が導入されつつあるが、この概念に於いては転移の有無がその後の治療方針を左右するものであり、これにRT-PCR法による腫瘍特異的遺伝子の検出を行いその意義が検討されはじめている。今回、メラノーマ患者のリンパ節および末梢血中のメラノーマ関連抗原遺伝子の検出を行い、リンパ節に関しては病理組織学的検査の結果と比較した。血液に関してはUICCのTNM分類による病期と血液中メラノーマ関連抗原遺伝子検出との関連性をみ、病勢のマーカーになりうるのかを検討した。メラノーマ関連抗原のうちtyrosinase、TRP-1、TRP-2、Mart-1、MAGE-1、MAGE-3の遺伝子に特異的なプライマーを作成した。メラノーマ患者のリンパ節生検あるいは郭清清時に摘出されたリンパ節および末梢血からRNAを抽出し、RT-PCR法を用いてまずtyrosinaseの検出をおこなった。 (リンパ節)7例8個のリンパ節中4個において病理組織学的に転移を認めた。このうちtyrosinaseの発現は3例に認め、1例はtyrosinaseが検出されなかった。病理組織学的に転移を認めない4個のうち2例にtyrosinaseの発現が認められた。 (血液)Stage Iの5例Stage IIの9例Stage IIIの10例Stage IVの3例、計27例の末梢血中のtyrosinaseはStage IVの2例においてのみ認められた。
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