2001 Fiscal Year Annual Research Report
インプラント予後診断のための分子生物学的技法を用いた新しい顎骨骨質診断法の開発
Project/Area Number |
13877333
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
佐藤 博信 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (00145955)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
椿 賢 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (90341487)
都築 尊 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (70330967)
松浦 尚志 福岡歯科大学, 歯学部, 講師 (60330966)
城戸 寛史 福岡歯科大学, 歯学部, 助教授 (90169897)
松浦 正朗 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (10089451)
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Keywords | 顎骨 / マウス / 遺伝子発現 / コラーゲン / デコリン / バイグリカン / フィブロモデリン / ルミカン |
Research Abstract |
インプラントの予後には顎骨骨質が最も影響すると推測されており,骨質を定量的に診断する方法の開発が望まれる.本研究では,骨組織の形態形成と石灰化の調整に直接関与していると思われるI型コラーゲン(COL)と低分子量プロテオグリカン(SLRP)に着目し,マウスの加齢とともに顎骨でのこれら分子の発現がどのように変化するかを検討した.3ヶ月齢と9ヶ月齢のddYマウス10匹から下顎角部の骨髄組織を採取し,同組織からtotal RNAを抽出し,Real-time PCR法により各分子の発現mRNAを定量した.定量値はグリセロアルデヒド3-リン酸脱水素酵素とのモル比で表した.定量を試みていないが,3ヶ月齢と9ヶ月齢の下顎骨の硬さは前者が勝り,後者では骨髄腔がより大きい感触を得ており,加齢に伴い下顎骨骨密度が低下していることが推測された.アルカリフォスファターゼ,COL,フィブロモデリン(FM)およびルミカン(LM)のmRNA量は,両月齢間で有意差(t-検定)はなく,ほとんど同じ値であった.有意差が認められなかったものの,デコリン(DCN)mRNAは3ヶ月齢(659.3)で9ヶ月齢(521.7)の約1.3倍であり,バイグリカン(BGN)mRNAは9ヶ月齢(73.8)で3ヶ月齢(48.3)の約1.5倍であった.本研究により,微量なマウス下顎骨骨髄から,COLやSLRPの遺伝子発現を定量できることが示された.研究をさらに進めることによって,下顎骨骨質とDCNおよびBGNの遺伝子発現との間に有意な相関がでてくる可能性がある.次年度は,骨疾患モデルマウスを用い,下顎骨骨質とCOLおよびSLRPとの関連をさらに追求し,COL架橋構造形成媒介酵素との関連をも検証していく予定である.
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Research Products
(1 results)
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[Publications] 松浦尚志, 都築尊, 城戸寛史, 松浦正朗, 佐藤博信, 他6名: "インプラント術前レントゲン撮影像での下顎管の抽出状態とそれに影響する宿主因子"日本補綴歯科学会雑誌. 45・106. 130-130 (2001)