2001 Fiscal Year Annual Research Report
独自に開発したDNAチップを用いた発癌因子抵抗性評価および発癌予防法の開発
Project/Area Number |
13877337
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
宮川 昌久 千葉大学, 医学部・附属病院, 助手 (40276358)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横江 秀隆 千葉大学, 医学部・附属病院, 講師 (70261930)
丹沢 秀樹 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (50236775)
鵜澤 一弘 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (30302558)
関 直彦 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教授
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Keywords | DNAチップ / 口腔扁平上皮癌 / 発癌抵抗性 / 発癌予防法 / 喫煙 / 飲酒 |
Research Abstract |
さまざまな発癌因子に暴露された際に、ヒトはそれぞれ異なった感受性や抵抗性を保有していると考えられている。例としては、薬剤耐性遺伝子や化学物質代謝酵素などの多型性などが挙げられる。また、口腔扁平上皮癌においては喫煙、飲酒が日本における2大発癌因子と考えられている。このため、喫煙や飲酒による発癌リスクの評価が各個人に対して簡便に行なえれば、発癌予防としても、さらに、各個人に対する啓発・指導資料としても非常に有用なものとなると期待される。 本実験では口腔領域癌患者、前癌患者、健常人ボランティアそれぞれについて喫煙群と非喫煙群、習慣的飲酒群と非飲酒群にわけて、遺伝子の発現パターンの相違をDNAチップによりスクリーニングすることを目的としており、本年度は以下の実験を行ない結果を得た。 1)健常者10名を喫煙群5名と非喫煙群5名に分けて、それぞれの血液からmRNAを抽出精製した。 2)口腔白板症患者6名を喫煙群3名と非喫煙群3名に分けて、それぞれの血液と正常組織と前癌組織からmRNAを抽出精製した。 3)口腔扁平上皮癌患者10名を喫煙群5名と非喫煙群5名に分けて、それぞれの血液と正常組織と癌組織からmRNAを抽出精製した。 4)これらのサンプルを用いて独自に開発した口腔領域専用DNAチップを用いて発現状態を検索した。 結果 1)健常者群の血液による比較では、喫煙者と非喫煙者の間で発現状態に有意差のある遺伝子を絞り込むことができなかった。今後、サンプル数を増やしていく予定である。 2)口腔白板症患者の血液による比較では両群の間の有意な相違を絞り込むことができなかったが、病変部組織による比較では18種類ほどの候補遺伝子が見つかったのでさらにサンプルを増やして絞り込みたい。 3)癌患者の血液による比較では明確な相違は特定できなかったが、組織を用いた比較では20種類ほどの遺伝子が候補として捕まった。さらに絞り込んでいく予定である。
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