2002 Fiscal Year Annual Research Report
離島・僻地医療支援におけるメイリング・リストの活用
Project/Area Number |
13877389
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
武田 裕子 琉球大学, 医学部附属病院, 講師 (70302411)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大滝 純司 東京大学, 医学教育国際協力研究センター, 助教授 (20176910)
武田 多一 熊本大学, 医学部, 助教授 (20271249)
小椋 力 琉球大学, 医学部, 教授 (60032330)
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Keywords | 医学教育 / 生涯学習 / メーリングリスト / IT / コンピュータ・リテラシー / EBM / 離島・僻地 / 診療支援 |
Research Abstract |
学習支援・診療支援としてのメーリング・リスト(ML)活用の可能性を探るために、アンケート調査を実施した。対象は、全国規模のML(TFC)参加者と沖縄県の離島診療所・病院を結ぶML(RISN)の参加者の2グループである。いずれも無記名自記式の調査を郵送法で行った。TFC参加者のうち医師免許を有する者・医学生613名を対象にした調査では、468名から回答を得た(有効回答率76%)。RISNの方は対象者44名、回答者数27名(有効回答率61%)であった。 TFCに関するアンケート調査では、"研修修了後に獲得し実際に活用している知識・技術の修得法"として、「MLを利用した情報収集」が最も多かった。また、(1)医学界のトピックスに遅れないための定期的アップデート、(2)患者診療で普段疑問に思うことの解決、(3)診療中の患者の問題点をすぐに解決するという3つの状況下での学習方式として、「MLを利用した情報収集」は上位3項目に含まれた。MLでの討論が特に有用と感じられているのは、"症例検討(診断や治療に関する疑問の解決)"であった。また、回答者の96%が"TFCでは教科書に書かれていない項目が学べる"と回答した。 卒業年次や臨床経験年数、診療形態、勤務地(都市・郡部・離島)、専門性(generalistかspecialistか)などで、生涯学習の方法とそれに費やす時間、生涯学習の障害因子、EBMに対する態度などに違いが見られるかSPSSを用いて検定した。これらの結果は、第17回家庭医療学研究会、第11回日本総合診療医学会で発表した。 RISNの調査はn数が少ないためサブグループによる解析は行わなかった。"「MLを利用した情報収集」は学習方式として有用"という回答は、TFCと比較すると少なかった。MLの運営方法や質が、その有用性を左右すると推測された。いずれの調査でも、患者紹介後の返書が臨床の知識を新たに獲得するための機会として最も多く利用されていた。
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