2001 Fiscal Year Annual Research Report
侵襲的処置により幼児が消耗する現象とその回復過程への看護介入
Project/Area Number |
13877427
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
添田 啓子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 講師 (70258903)
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Keywords | 侵襲的処置 / 術後 / 消耗 / 回復 / 幼児後期 / 小児看護 / PICU |
Research Abstract |
研究目的:侵襲的処置により幼児が消耗し回復する現象の過程と構造を明らかにすること、回復していくために効果的な看護介入を明らかにすることを目的とした。 対象:侵襲による消耗をより捉えるため対象を侵襲の大きな手術を受ける幼児に絞った。結果として対象数を多くすることはできなかった。 データ収集:VURで膀胱尿管新設術を行う3.3y(事例1)と6y(事例2)の2事例について、入院から退院までの参加観察と患者記録からの情報収集。退院後の生活記録、家族への面接。看護を行った看護婦5名への面接を行った。分析は質的因子探索的な分析を行った。 結果 参加観察;事例1は顕著な消耗と回復の過程を示した。児は術後『身体コントロールの喪失』『情緒のコントロールが崩れ』『守って対処してくれる母の喪失』『安全にいられる場の喪失』『状況がわからない』児にとって『大変な病気の状態』で『これじゃあ帰れない』と途方に暮れ、強い『痛みの知覚』、検査、痛みを伴う処置など『わからない状況』で『抵抗してもされてしまう』事に力を失って消耗しており、状況に対処できなかった。『児の状況を読みとり』『状況をわからせ』『児の価値を高める』児が心配に思うことを『保証する』『日常性を取り戻す』児を安心させる看護により、児は『情緒の安定を保つ』、『力を高められ』術後3日目には『対処する力・方法を得』ることができていた。 看護婦のインタビュー;看護婦2名が消耗を少なく回復を促そうと意図し指標を持ち看護していた。結果として子どもの反応を見ているが、介入の効果としては明確に捉えていなかった。 今後の方向性:術前-術後3日間程度に焦点を絞り、術後の消耗からの回復に向けて効果的な看護の構造を明確にするため、事例を重ねてデータ収集を行う。
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