2001 Fiscal Year Annual Research Report
科学教育的観点からみた数式問題の構造と理解に関する実証的研究
Project/Area Number |
13878028
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | National Institute for Educational Policy Research |
Principal Investigator |
坂谷内 勝 国立教育政策研究所, 教育研究情報センター, 総括研究官 (70187053)
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Keywords | 数式問題 / データベース / 高校入試 |
Research Abstract |
本研究は,2年間で,理科教育,数学教育,技術教育,情報教育等の各教科の数式問題を対象とし,科学教育的観点からみた数式問題の構造と理解に関する研究を行う。今年度は,公立高等学校の各教科の入試問題から数式問題と基本的情報を収集し,「数式問題データベース」を構築した。さらに,中学校の各教科の教科書や補助教材等から数式問題と基本的情報(内容領域,教育的ねらい等)を収集し,データベースに追加した。 高校入試問題データベースから,数学科の数式に関する問題を抽出し,数式問題データベースを作成した結果,全レコード数は2357件になった。その内,正答率の公開不可や正答率を求めていない等の理由で,正答率がないものは1272件(54%)であった。このデータベースを用いて数式問題の基本的構造を分析した結果,数式問題は他の問題と比べて正答率が高い,数式問題の長さが長いほど正答率が低くなる,特定の数字または演算子を含む数式問題は正答率が低い等の興味深い知見を得た。数式問題中に算術演算子(加減乗除,指数,分数,ルート)を1つでも含む数式をグループ化し,そのグループ毎の平均正答率を調べてみると,"×"と"÷"のグループの平均正答率が高く,"指数"のグループの平均正答率が低い。これは複雑な数式に"×"と"÷"は使われないためと,指数を含む問題(2次方程式等)が他の問題と比較して難しいためと考えられる。
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Research Products
(1 results)