2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13878040
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
黒木 伸明 上越教育大学, 学校教育学部, 教授 (70059731)
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Keywords | 聴覚障害生徒 / 論理的思考 / 類推 / 作業活動 / 解法の構造的見方 |
Research Abstract |
聴覚障害児童・生徒の論理的な思考や創造的思考を育成するために、「類推活動」を取り入れることが有効であることを、多角形の内角の和の教材を例に実践した。すなわち、「4角形は2つの3角形に分けられる」「5角形は3つの3角形に分けられる」・・・の類推から「(6,2)角形は2つの(5,2)角形に分けられる」「(7,2)角形は3つの(5,2)角形に分けられる」・・・を導き出している(『聴覚障害生徒の類推能力の育成を図る教材の開発について』第35回全日本聾教育研究大会研究集録(2001)137-138.)。また、数学に興味を持たせ、自立に向けて自ら数学学習に興味を持たせるために、作業活動を取り入れた数学教材『長方形の紙を3等分しよう』『独楽で遊ぼう・・・円の中心はどこにあるのか』『数量感覚の育成について・・・九九の棟の作成を通して』『サッカーボールを作ろう』『平行線を引こう』など(これらの一部は、2002年度数学教育学会夏季発表論文集参照)を開発し、聴覚障害児童・生徒に対して実践授業を行い、その有効性を検証した(『聴覚障害生徒に対する作業活動を取り入れた数学教材の開発』第36回全日本聾教育研究大会研究集録(2002)76-77)。これらの教材開発の経験を通して、多様な見方・考え方を引き出す教材を開発する方法について、特に図形教材を例に教員養成の立場から検討を行い、解法の構造的見方(ある課題の解法を元とする集合を考え、その元の間の関係、すなわち、解法間の関係を調べる)が有効であるとの示唆を得た(11の研究発表[雑誌論文]参照)。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 中込雄治, 黒木伸明: "多様な考え方を引き出し特殊と一般の構造を見いだす幾何教材の開発"数学教育学会誌. 43巻3-4号(印刷中). (2002)
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[Publications] 加藤竜吾, 黒木伸明: "目標に多重構造を持つ数学の授業構成について"数学教育学会誌. 43号1-2号. 35-42 (2002)
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[Publications] 中込雄治, 黒木伸明: "幾何の証明問題における多様な考えを引き出す方略"数学教育学会誌. 43号1-2号. 7-14 (2002)
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[Publications] 黒木 伸明: "科学的リテラシィーとしての新しい数学的基礎能力"日本科学教育学会研究会研究報告. 17巻1号. 23-28 (2002)
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[Publications] Y.Nakakomi, N.Kuroki: "Posing Problem by Embedding"Proceeding of the Third International Conferences on Mathematics Education and Cultural History of Mathematics. 105-108 (2002)
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[Publications] 中込雄治, 黒木伸明: "教材の発展的扱い"数学教育学会誌. 42巻3-4号. 67-75 (2001)
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[Publications] 黒木伸明: "作図活動による問題設定について"数学教育学会誌. 42巻1-2号. 51-58 (2001)