2003 Fiscal Year Annual Research Report
社会言語地理論の可能性:コミュニケーション地域に関する調査研究
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13878048
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Research Institution | Kanda University of International Studies |
Principal Investigator |
SAU Kuen Fan 神田外語大学, 外国語学部, 助教授 (70327188)
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Keywords | コミュニケーション / コミュニケーション地域 / 社会言語学 / 言語地理学 / 香港人 |
Research Abstract |
平成15年度のはじめは、まず異文化コミュニケーションの領域で、多言語多文化社会における外国人問題の意義について、現状調査を実施するほか、文献を収集し、分析を試みた。結果は「外国人問題」のタイトルで『新版日本語教育事典』(水谷修他編集、大修館書店出版)に掲載することが決まった。 このほか、本年度も引き続きデータ収集の研究活動を積極的に行った。手法としては昨年度国立国語研究所の論文集に発表した接触場面のタイポロジーに基づいて、さらにコミュニケーション地域を拡大し、自然データを集めた。本年度は特に研究者の言語能力の対応できる下記地域の言語使用者を注目し、録音・録画以外に、インターアクション・インタビューも行った。 1.北京から来日した北京語を母語とする日本語学習者、2.台湾から来日した北京語を母語とする日本語学習者、3.香港から来日した広東語を母語とする日本語学習者、4.オーストラリアから来日した英語を母語とする日本語学習者、5.オーストラリアから来日した英語・広東語二重言語話者、6.アメリカからから来日した英語を母語とする日本語学習者、7.アメリカから来日した英語・北京語二重言語話者。 収集したデータは編集機材を利用してデータバンクに整理し、保存した。分析にあたり、千葉大学の先生の助言をいただき、参考書を集めた。 平成15年度の後半は、研究者所属大学内「金曜日の会」と名付けられた多文化交流グループに参加していた9名の日本語学習者を対象に彼らのコミュニケーション行動の特徴を分析した。結果は千葉大学大学院社会文化科学研究科プロジェクト報告書に掲載された。 いずれの調査においても、隣接地域の言語使用者は使用言語が異なるにも関わらず、外国語(日本語)使用場面では共通したコミュニケーション規範に基づいた行動が観察できる。この結果からは、コミュニケーション地域の存在を裏付けることができるだけでなく、社会言語地理論を1つ研究領域として確立するために第一歩を踏み出すことができるのではないかと思われる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] サウクエン・ファン: "日本語の外国人性(foreignness):第三者言語接触場面における参加者の日本語規範および規範の管理から"日本語教育と接触場面:ネウストプニーのインパクト(明治書院). 3-21 (2003)
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[Publications] サウクエン・ファン: "外国人問題"新版日本語教育事典(大修館書店). (版行決定). (2004)
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[Publications] サウクエン・ファン: "Language learners' conversational participation in non-goal-oriented network situations : An attempt of International Encounter Groups in the university setting"接触場面の言語管理研究Vol.3(村村岡英裕 編)千葉大学大学院 社会文化科学研究科プロジェクト報告書. 104(版行決定). (2004)