2001 Fiscal Year Annual Research Report
プラズマ対向材料の表面化学反応における電子励起効果
Project/Area Number |
13878086
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
上田 良夫 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30193816)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大塚 裕介 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70294048)
西川 雅弘 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50029287)
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Keywords | プラズマ対向材料 / 化学スパッタリング / 炭素材 / 電子ビーム / 高粒子束ビーム / 電子励起効果 / タングステン |
Research Abstract |
炭素材、ボロンコーティング材、及び金属材へ、高粒子束水素(重水素)ビームを照射した場合の、化学スパッタリング現象や水素吸蔵現象における電子による表面励起効果の有無を調べることが、本研究の目的である。今年度は、以下のような研究を行った。 ○電子ビーム照射のための小型電子ビーム源を製作した。電子放出部にはLaB_6を利用し、背面からヒーターにより、最大温度1200℃程度まで加熱する。ヒーターには、窒化ホウ素板で炭素ヒーターを挟んで、絶縁・強化した平板ヒーターを用いている。加熱部の大きさは約12φである。電子ビームは、LaB_6板とグリッド板の間に加速電圧を印加して引き出す。ビーム径は約10φで、電子ビーム電流はLaB_6の温度(熱電子電流)を制御することで変化させる。最大電子電流は、約50mAである。 ○高粒子束水素ビーム照射装置の最適化、及びタングステンヘの照射実験を行った。実験では、1keVH_3^+が主となるビームを照射し、炭素不純物量を0.07%と0.7%に変化させて、炭素不純物が水素の吸蔵現象に及ぼす影響を調べた。照射フルーエンスを1.6x10^<24>m^<-2>から7.2x10^<24>m^<-2>まで変化させると、炭素不純物量にかかわらず、水素吸蔵量は増加した。また、炭素不純物の多い方が総吸蔵量は大きく、主に800K以上の温度領域での吸蔵量が増加した。このことから、炭素不純物が800K以上の高温領域での水素の捕獲サイトになっていることが示唆される。
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Research Products
(1 results)