2001 Fiscal Year Annual Research Report
高エネルギーガンマ線強度標準化のための高純度窒素線源の開発
Project/Area Number |
13878091
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
河出 清 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (70023215)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 理尋 名古屋大学, 工学部, 助教授 (30262885)
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Keywords | 高エネルギーガンマ線 / 中性子捕獲ガンマ線 / 全エネルギー検出効率 / モンテカルロシミュレーション / 単色γ線源 / 液体窒素ターゲット / バランス法 |
Research Abstract |
1.液体窒素ターゲットの開発 本研究は10MeV程度までの標準γ線源の開発を目指して高エネルギーγ線源の開発と測定及び解析法の開発を行うことを目的としている。11MeVまでのγ線をほぼ等間隔に放出し、さらに、準位図式が比較的単純であるという観点から【14!N】(n,γ)【15!N】反応による中性子捕獲γ線に着目した。初年度は高強度及び低不純物ターゲットとして、液体窒素による安定して利用できるターゲットの開発とそれを用いた京都大学原子炉実験所の冷中性子ビーム(B-4ライン)での実験を行った。その結果、以下のことを明らかにした。〇 ターゲットは70時間程度安定に利用できる。(京大炉の連続利用可能な時間に相当) 〇 液体窒素を用いることによって、統計精度を従来のメラミンターゲットの4倍に増加させた。〇 妨害反応となる水素の捕獲γ線(2.2MeV)を大幅に減らすことが出来、その結果、2MeV以下のγ線バックグラウンドを低減させ、実効的な統計精度を30倍程度まで増加させた。 2.準位図式の完成度のチェック及び文献値との比較 γ線強度決定には、準位図式が完全な場合には各準位間のγ線強度の収支がバランスする、という原理(バランス法と呼ぶ)を用いる。既に報告されている文献のなかで、最も詳しいとされる準位図式の正確さのチェックおよびその文献のγ線強度から今回の実験データにおける検出限界の確認を現在行っている。今後、強度の弱いγ線がバランス法に与える影響を定量的に評価する。
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