2001 Fiscal Year Annual Research Report
巨大遺伝子ファミリーの発現遺伝子選択過程におけるCpGメチル化の解析系の探索
Project/Area Number |
13878138
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
榎森 康文 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (60160389)
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Keywords | 遺伝子ファミリー / DNAメチル化 / 遺伝子発現 / 嗅覚受容体 / 多重遺伝子 |
Research Abstract |
(1)OR遺伝子クラスターの遺伝子解析とCpG配列の存在状態 硬骨魚類であるドジョウのOR遺伝子のクラスターを解析した。特に、Cサブファミリーに関しては、8個のMOR遺伝子をタンデムに含むゲノム領域を詳細に解析した。また、他の3つのサブファミリー(47、A、202サブファミリー)に関してはORF近傍の解析を終了した。これらのデータと既存のデータを総合的に検討した結果、魚類のMOR遺伝子には、共通の5〜7個のプロトタイプ遺伝子が存在することがわかった。 (2)OR遺伝子内におけるCpG配列の存在様式の解析 構造解析したOR遺伝子の範囲に於いて、コーディング領域と周辺領域の塩基配列や、メチル化が起こるCpG配列の位置や数を詳細に検討すると、1つのサブファミリーが複数のグループに分けられることがわかった。例えば、ドジョウのAサブファミリーやCサブファミリーに含まれる8〜10個のMOR遺伝子は、2〜3のメンバーを含む小さなグループに分けることができる。さらに、遺伝子の転写活性や発現遺伝子の選択に関わると期待されるCpG配列の位置とパターンは、それぞれのグループに特徴的であることが明らかになった。 (3)少量の試料を用いたOR遺伝子におけるメチル化配列の検出の検討 嗅覚組織を用いてDNAを抽出し、コントロール組織である肝臓と併せてOR遺伝子のメチル化状態を検討しようとしている。現状では、1〜数個の細胞に相当するDNAではメチル化特異的化学修飾後のDNA回収率が悪く、PCRによってメチル化状態を明らかにするには至っていないため、さらに効率的な方法論を開発しようとしている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Ishimaru, et al.: "An actin-binding protein, CAP, is expressed in a subset of rat taste bud cells"Neuro Report. 12巻. 233-235 (2001)
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[Publications] Asano-Miyoshi et al.: "IP3 receptor type 3 and PLCβ2 are co-expressed with taste receptors, T1R and T2R in rat taste bud cells"Chemical Senses. 26巻. 259-265 (2001)
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[Publications] Kishi et al.: "Primary culture of rat tastebud cells that retain molecular markers for taste buds and permit functional expression of foreign genes"Neuroscience. 106巻. 217-225 (2001)