2001 Fiscal Year Annual Research Report
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13878148
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
三田村 俊秀 大阪大学, 微生物病研究所, 講師 (80268846)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田井 久美子 大阪大学, 微生物病研究所, 教務職員 (00187907)
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Keywords | マラリア / 細胞増殖 / 細胞周期 / 熱帯熱マラリア原虫 / 血清アルブミン |
Research Abstract |
赤血球期マラリア原虫の細胞増殖形態は、学術的観点からユニークなものであるのみならず、その分子機構に関する研究は、未だ人類にとって脅威である感染症マラリアの化学療法の新規標的分子の提供につながる。本研究は、生物学的な興味とマラリア治療への応用との両面を考慮に入れ、細胞増殖に異常が見られる原虫細胞のクローン株と正常な細胞増殖を示すクローン株、さらにはこれらの親株から派生したキメラ子孫細胞クローン株を用いた遺伝学的解析により、赤血球期マラリア原虫の細胞増殖に関与する原虫側因子の同定を目的としている。本年度は、(1)変異型原虫細胞株の示す細胞増殖における表現型は、赤血球サイクルのどの過程の異常に起因しているのか、また、(2)その表現型を支配する遺伝子は、マラリア原虫のどの染色体、かつその座位はどこであるのか、を決定する実験を計画した。(1)については、赤血球サイクルの各ステップにおいて、親株の2株間で明確な差異を見出すことができなかった。これは、原因因子が2つ以上のステップに関与しているため、各ステップに与える影響が今回用いた解析系の感度では検出することができないという可能性が考えられる。もう一つは、この表現型を支配する遺伝子が2つ以上存在するという可能性である。(2)については、これまで13種類のキメラ子孫細胞クローン株の解析を終えており、さらに現在これら以外の10種類のキメラ子孫細胞株の解析を継続している。一連の解析結果が出揃ったところで、QTL解析等の統計処理を行い、原因遺伝子の存在する染色体、さらにはその座位を決定する予定である。また、この統計処理により、(1)で挙げた2つの可能性に対する回答が見出せると考えている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Hanada K, Palacpac NM, Magistrado PA, Kurokawa K, Rai G, Sakata D, Hara T, Horii T, Nishijima M, Mitamura T.: "Plasmodium falciparum phospholipase C hydrolyzing sphingomyelin and lysocholinephospholipids is a possible target for malaria chemotherapy"The Journal of Experimental Medicine. 195・1. 23-34 (2002)
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[Publications] Sakihama N, Mitamura T, Kaneko A, Horii T, Tanabe K.: "Long PCR amplification of Plasmodium falciparum DNA extracted from filter paper blots"Experimental Parasitology. 97・1. 50-54 (2001)