2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13878162
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
岡村 均 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60158813)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八木田 和弘 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (90324920)
山口 瞬 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (70304087)
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Keywords | 時計遺伝子 / エンドセリン / トランスジェニックマウス / 視交叉上核 / サーカディアンリズム / ペプチド / アミン |
Research Abstract |
長い間、生体リズムの本体に関しては、全く不明であったが、近年、哺乳類リズム発振を司る分子機構が解明され、その医学的応用を求める動きが大きく進展し始めた。約3年前我々は、哺乳類における極めて重要な時計遺伝子哺乳類mPer1を単離したことを初めとして、多くの遺伝子発現機構を明らかにした。今回の研究において、エンドセリンが、線維芽細胞系の細胞のリズム調律能力を持つことを証明した。また、エンドセリンの経静脈投与にて行動リズムの変異を起こす可能性を示唆し、脳室内投与によって脳内のリズムセンターである視交叉上核の時計遺伝子の転写を制御する可能性も確認しており、新しいタイプのリズム調整剤としてさらに追求している。現在、遺伝子改変マウスを用いて、エンドセリンの作用をさらに追求している。また、mPer1プロモーター発光遺伝子トランスジェニックマウス視交叉上核で、ペプチドの一種、アミンの一種が位相変動を起こすことを確認した。これら物質の薬理作用を決定し、新しいタイプのリズム調整剤を開発する。我々はこの結果の臨床応用により、老人の睡眠障害,夜間せん妄などの中枢性リズム異常関連疾患の新しい治療法を確立する。マウス大動脈で時計遺伝子の日内変動を確認した。現在、末梢臓器で時計遺伝子の発現の制御も検索しており、これらが明らかになった暁には、高齢者に多発する狭心症、心筋梗塞の要因として早朝の急激な血圧上昇、血圧リズムの消失の現象の分子機序も期待している。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Yamaguchi, S.: "Real time monitoring of clock gene expression in the living mouse"Nature. 409. 684 (2001)
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[Publications] Yamamoto, S.: "Expression of the Per1 gene in the hamster : Brain atlas and circadian characteristics in the suprachiasmatic nucleus"J. Comp. Neurol.. 430. 518-532 (2001)
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[Publications] Mitsui, S.: "Antagonistic role of E4BP4 and PAR proteins in the circadian oscillatory mechanism"Genes Develop.. 15. 995-1006 (2001)
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[Publications] Yagita, K: "Molecular mechanisms of the biological clock in Cultured fibroblasts"Science. 292. 278-292 (2001)
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[Publications] Asai, M.: "Visualization of mPer1 transcription in vitro by luciferase mediated bioluminescence : NMDA induces a rapid phase-shift of mPer1 gene in cultured SCN"Current Biology. 11. 1524-1527 (2001)
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[Publications] Nonaka, H.: "Angiotensin II induces circadian gene expression of clock genes in cultured vascular smooth muscle cells"Circulation. 104. 1746-1748 (2001)