2002 Fiscal Year Annual Research Report
DDSを目的とした超音波照射によるマイクロカプセルの破壊制御
Project/Area Number |
13878178
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山本 克之 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10088867)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 信樹 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30271638)
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Keywords | 超音波 / 造影剤 / 微小気泡 / DDS / 高速度カメラ / 蛍光顕微法 / 血管内皮細胞 / Sonoporation |
Research Abstract |
マイクロカプセルを用いたDDSにおいて,カプセルに付加した薬剤が効率よく細胞内に取り込まれるよう超音波の照射条件を最適化し,カプセルの破壊を制御するには,マイクロカプセルなどの微小気泡の存在が細胞への薬剤取り込みを促進するメカニズムを明らかにする必要がある.そこで本年度は,下記の2点に関する検討を行った. 1.細胞と気泡の相互作用の高速度観察 前年度に行った高速度観察から,気泡が急速に収縮する際に微小な流れが発生し,これが気泡の崩壊の原因になっていることが示された.そこで本年度は,このような気泡のふるまいが細胞に作用を与える可能性に関する検討を行うために,培養した血管内皮細胞を用いて,細胞と微小気泡の相互作用の高速度撮影を行った.その結果,細胞の近傍に気泡が存在する場合に,明らかに気泡のふるまいに同期した細胞の変形が観察された.これは,気泡が存在しない場合には,超音波のエネルギは細胞にほとんど作用を及ぼさずに透過してしまうが,気泡が存在する場合には,超音波のエネルギが一旦気泡の運動エネルギに変換され.気泡のふるまいにより2次的に細胞が作用を受けているものと考えられた. 2.Sonoporation(細胞穿孔)のメカニズムの解明 高速度観察では,細胞の変形は観察できるものの画質が低く,細胞が受ける作用を詳細に観察することができなかった.そこで,パルス超音波照射下において気泡のふるまいが細胞膜に与える作用を高い感度で検出できる蛍光顕微法を用いて観察を行った.その結果,気泡が存在すると明らかに細胞膜が損傷を受ける確率が増大すること,損傷を受ける部位が気泡の崩壊が起きた部位と一致することが確認され,気泡のふるまいによる機械的な作用がSonoporationの発生機序の一つと考えられた.
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Research Products
(10 results)
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[Publications] 工藤信樹: "気泡のふるまいの可視化"映像情報メディカル. 36(4). 572-574 (2002)
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[Publications] Nobuhiko KOBAYASHI: "Endotherial cell injury in venule and capillary induced by contrast ultra-sonography"Ultrasound in Medicine & Biology. 28(7). 949-956 (2002)
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[Publications] 工藤信樹: "微小気泡存在下で超音波が細胞に与える作用について:血管内皮細胞を用いた検討"日本超音波医学会基礎技術研究部会資料. 102(2). 1-4 (2002)
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[Publications] Nobuki KUDO: "Study on mechanisms of cell damage caused by microbubbles exposed to ultrasound"IEEE Ultrasonics Symposium Proceedings. (in print). (2002)
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[Publications] Kosuke HIRAI: "Development of an imaging system of muscle oxygenation based on spatially resolved near-infrared spectroscopy"Proc. Biomedical Optics and Photomedicine. 192-193 (2002)
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[Publications] Nobuki KUDO: "Basic studies on optical imaging of biological tissues using speckle patterns of ultrasound-modulated light"Proc. Biomedical Optics and Photomedicine. 234-235 (2002)
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[Publications] Nobuki KUDO: "Study on the mechanism of cell damage caused by microbubbles exposed to ultrasound"Proc. of 4th International Symposium on Ultrasound Contrast Imaging. 45 (2002)
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[Publications] Loreto B Feril, Jr: "Enhancement of ultrasound-induced apoptosis and cell lysis by echo-contrast agents"Ultrasound in Medicine & Biology. (in print). (2003)
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[Publications] Nobuki KUDO: "Study on the mechanism of cell damage caused by microbubbles exposed to ultrasound"Proceedings of 8th European Symposium on Ultrasound Contrast Imaging. 62 (2003)
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[Publications] 工藤信樹(分担執筆): "超音波造影ガイドブック"金原出版. 174 (2003)