2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13F03018
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
長瀧 重博 独立行政法人理化学研究所, 長瀧天体ビッグバン研究室, 准主任研究員
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LEE Shiu-hang 独立行政法人理化学研究所, 長瀧天体ビッグバン研究室, 外国人特別研究員
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Keywords | 超新星 / 超新星残骸 / 粒子加速 / 非平衡電離 |
Research Abstract |
LEE氏は超新星残骸のプラズマ状態(陽子温度、電子温度、原子核のイオン化度(熱平衡ではなく、非平衡状態にあります)、粒子加速等)に関する世界最先端の理論的研究を行っています。彼の理論によって、現在観測されている多くの超新星残骸の理論的解釈が進められています。本研究期間において、LEE氏が導入する原子核イオン化度の理論計算により、世界中の研究者が行っていた超新星残骸のプラズマ状態の解釈を巡る論争に終止符を打つ程決定的な役割を果たします。超新星残骸はラジオ波からTeVガンマ線に至るまで、幅広い放射を行っています。これらの放射は超新星残骸に於いて加速された陽子または電子からの放射と考えるのが妥当ですが、特に高エネルギーガンマ線の起源についてはそれが電子放射によるものなのか(レプトニックシナリオ)、陽子放射によるものなのか(ハドロニックシナリオ)、意見の分かれるところでした。何故なら、どちらの説に立ったとしても、観測されるスペクトル(ラジオ波からTeVガンマ線に至るまでの連続スペクトル)はある程度再現することが出来るからです。LEE氏の独創性は、上記連続スペクトルの理論計算だけでなく、非平衡イオン化度にある原子核からのラインX線放射強度について理論計算を行ったところにあります。連続スペクトル成分・ライン成分双方について理論と観測の比較を行うことにより、格段に議論の質を向上させました。彼の手法は現在広く受け入れられており、世界を説得しています。本研究期間に於いてはこの手法を様々な超新星残骸に適用し、それらの超新星残骸において陽子が加速されでいるのか、電子が加速されているのか、その割合やエナジェティクスはどのようなものであるかを包括的に解明します。
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Strategy for Future Research Activity |
2014年4月よりJAXA Top Young Research Fellowとなりますので、平成25年度で終了致します。従って本研究課題は平成25年度が最終年度のため、配入しません。
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Research Products
(4 results)