2014 Fiscal Year Annual Research Report
マテリアライズド・スカイライン・ビューに基づく情報探索技術
Project/Area Number |
13F03040
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
森本 康彦 広島大学, 工学研究院, 准教授 (00363010)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SIDDIQUE Mohammad Anisuzzaman 広島大学, 工学研究院, 外国人特別研究員
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | スカイライン問合せ / プライバシー保護 / 情報検索 / MapReduce / ビッグデータ / 地理情報システム |
Outline of Annual Research Achievements |
特別研究員(外国人特別研究員M. A. Siddique)とともに行っている研究は,モバイル端末を利用しているユーザに簡単な情報検索手法を提案しようとするものである.モバイル端末ではパソコンで行う情報検索で行われるような詳細な検索条件の指定が難しい.その一方で,近年のモバイル端末の多くはGPSを備えている.近年,盛んに研究されているスカイライン問合せ機能は,検索条件の詳細な指定なく必要な情報を選別できるという特性がある.本研究は,このスカイライン問合わせ機能とGPSの時空間情報を検索に利用することで,検索精度の飛躍的向上を目指している.GPSから得られる時空間情報を含むユーザの行動記録から,各ユーザの検索時の状況を推定し,それに基づきスカイライン問合わせを行ってゆくが,時空間情報を扱うため計算コストが大きくなる.また,ユーザのプライバシーにも配慮しなくてはならないため,高度なアルゴリズムの設計が必要で,技術的にもチャレンジングな課題である.
本共同研究は,昨年度(平成25年度)の9月24日から開始しているが,これまでに以下の事項の研究を行った.(1)時空間情報を含む情報検索のシミュレーション実験を行うための計算機システムの整備 (2)ビッグデータ計算基盤として有力なMapReduceを利用した,情報検索に利用する基本アルゴリズムの研究開発 (3)モバイル端末を利用した実検索データの収集と分析 (4)最先端の研究動向を反映させるため,トップレベルの研究者が集まる国際会議に参加し情報収集
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
この研究に関連したこれまでの成果を以下のように公表した. 国際学術雑誌:(1)「IEICE Transactions on Information and Systems, Vol. E98-D, 2015」 査読付き国際会議:(1)「Springer, Int’l Workshop on Databases in Networked Information System (DNIS) 2014」 (2)「Springer, Database Systems for Advanced Applications (DASFAA) 2014 workshop」 (3)「ACM, Int’l Workshop on Bringing the Value of Big Data to Users (Data4U) 2014」 (4)「Springer, International Conference on Advanced Data Mining and Applications (ADMA) 2014」 (5)「Springer, Int’l Workshop on Databases in Networked Information System (DNIS) 2015」 他に2件,国際会議へ発表予定(すでに採録決定済み)の論文がある.他に,国際会議論文に発表した論文のうちADMA2015の論文が,国際学術雑誌への投稿を依頼されており,近日中に投稿予定である. このように共同研究の成果が徐々に結果を伴ってあがっており,現状として論文としての発表は,期待以上と言ってもよい.ただし,論文となった研究成果のほとんどはMapReduce技術を利用した大規模計算アルゴリズム(基礎研究)に関するもので,アプリケーションとプライバシーに関する研究開発は予定より遅れているとみなすこともできる.これらの状況を総合的に判断して「おおむね順調」とした.
|
Strategy for Future Research Activity |
残りの研究期間でアプリケーションとプライバシーに関する研究開発に力を入れる予定である.7月に時空間情報を含む情報検索機能のインターフェースとして利用する「スカイライン領域」検索機能の研究発表を行う予定であるが,この研究発表の機会を利用して,他の研究者からのフィードバックを得て,それを踏まえて,アプリケーション関連の次の段階の研究へと進みたいと考えている.これらと並行してプライバシーに関する問題点を洗い出し,その解決策も検討したい.
|