2013 Fiscal Year Annual Research Report
フォトニックグラフェンにおける離散/ギャップソリトン光伝搬に関する研究
Project/Area Number |
13F03052
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
富田 康生 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GUO Jinxin 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | フォトニック結晶 / フォトニックグラフェン / ナノ材料 / ナノコンポジット材料 / 連鎖移動反応 / 半導体量子ドット / ソリトン伝搬 |
Research Abstract |
本研究の目的は半導体量子ドット(QD)を光重合性モノマーへ分散したナノ微粒子-ポリマーコンポジット(NPC)中でのホログラフィックナノ微粒子アセンブリーによりフォトニックグラフェン (2次元ハニカム構造フォトニック格子)をホログラフィックに一括で作成して新しい線形・非線形光学現象(円錐回折、ソリトン伝搬等)の発現とそのメカニズムを究明することにある。 平成25年度は第一に、NPC中に高コントラストのフォトニックグラフェン構造を作成するための前段階の検討として、これまで十分に特性評価を行っているアクリルモノマーにZrO_2ナノ微粒子を分散したNPC中への体積ホログラム記録でのNPC中への連鎖移動剤添加による高空間周波数領域特性の改善を行った。その結果、最適な連鎖移動剤濃度添加により高空間周波数領域で屈折率変調が無添加時に比べて約2倍増大出来ることを見出した。第二に、ZrO_2ナノ微粒子に代えて半導体CdSe量子ドット(CdSe QD)の光重合性イオン液体モノマーへの高濃度分散したNPCの作成について検討を行った。その結果、10vol. %程度までCdSe QDの高濃度分散が可能であることを実証し、記録した体積ホログラムの屈折率変調が最適条件において0.017(従来の約3倍)まで増大出来ることを実証した。第三に、NPCへのフォトニックグラフェン構造形成のためのプリズムを用いた三光束ビームによるホログラフィック干渉光学系の構築を行った。また、空間光変調器を用いた縦型(対称軸が基板に垂直な)フォトニックグラフェン構造の一括形成も試みており現在も検討中である。以上の成果の一部は、応用物理学会と日本光学会年会において発表するとともに、平成26年度初頭に開催された国際会議での発表および米国学会誌への投稿も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の第一の検討項目であるアクリルモノマーを用いたNPC中への体積ホログラム記録の連鎖移動剤添加による高空間周波数領域特性改善の実験的検証は完了している。第二のCdSe量子ドットの高濃度分散についても、10vol.%程度まで可能であることを実証している。第三のNPCへのフォトニックグラフェンの形成のためのホログラフィック干渉光学系の構築も概ね終えている。線形・非線形光学特性測定は今後行うこととして残されている。以上のことから、当初予定していた項目の8割程度を終えているため、おおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度で着手出来ていなかった線形・非線形光学特性測定を早急に実施し、その結果を踏まえて次年度予定している検討項目の実施を進める予定である。ただし、線形・非線形光学特性測定は当初から次年度も継続して行う予定であったので、全体の進捗には支障は生じないと考える。
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