2013 Fiscal Year Annual Research Report
光レオロジー : 偏光で見る生体のバイオメカニクス
Project/Area Number |
13F03053
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
安野 嘉晃 筑波大学, 数理物質系, 講師
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KASARAGOD Deepa 筑波大学, 数理物質系, 外国人特別研究員
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Keywords | 複屈折 / 眼圧 / 強膜 / in vivo / PS-OCT |
Research Abstract |
○In vivoヒト強膜の複屈折定量計測 本研究課題は眼球組織の一つである強膜のバイオメカニクスを、その複屈折を計測することで定量評価する、というものである。ここで、強膜の複屈折、強膜のパイオメカニクスがともに強膜内部の微小構造(suporstructuro)に依存していることに注目する必要がある。 この強膜のsuporstructureは強膜に印加される圧力、つまり眼圧によっても変化する可能性がある。つまり、我々が計測対象としている複屈折は強膜のバイオメカニクスだけではなく、眼圧変化による影響も受ける可能性がある。そこで、強膜の複屈折がどの程度眼圧変化の影響を受けるのかを調査する人眼スタディーを行った。ここでは、加齢黄斑変性治療のため眼内注射を行う患者を対照として、眼内注射前後で眼圧、および強膜複屈折の測定を行った。その後、その計測データ処理するための複屈折定量化アルゴリズムの開発に進んだ。 ○複屈折定量測定のためのアルゴリズム開発 本課題では強膜の複屈折を「偏光感受型光コヒーレンストモグラフィー」(PS-09T)を用いて撮影する。上記のヒト強膜複屈折の定量計測を行う中で、ノイズの存在する中でのPS-OCTによる複屈折計測値が、真の複屈折値からバイアスを持って計測されることがわかってきた。そのため、2013年度後半は、まず、このバイアスの特性の定式化を行った。さらに, その定式に基づき、計測される複屈折の統計特性を記述し、それを用いて真の複屈折を推定するためのアルゴリズム(推計器)の設計・実装を行った。 現在、この推計器はほぼ完成し、これらをまとめた包括的な論文が投稿直前段階まで完成している。 さらに、現在、二の推計器を用いて上記人眼スタディーのデータを解析している。いまだ最終取りまとめの最中の中間的な結果であるが、すでに、人の眼圧変化を複屈折の関連を示す結果が示されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
推計器の理論設計の中で、当初予定していた実装上の困難さが本質的に回避できることがわかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度は、筑波大学病院の協力の下、正常眼、緑内障眼、円錐角膜眼、およびその他の疾患により硝子体内注射を必要とする人眼の強膜の偏光感受型光コヒーレンストモグラフィー計測による症例蓄積を行う。ここで、硝子体内注射眼は、注射による短期的な眼圧の強膜の複屈折への影響を検討するためである。 また、上記臨床計測と並行し、より高精度な複屈折定量化のための偏光感受型光コヒーレンストモグラフィー装置の装置改良および、定量化アルゴリズムの開発を行う。
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