2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13F03056
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
難波 義治 中部大学, 工学部, 特任教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BEAUCAMP Anthony 中部大学, 工学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 超精密研磨 / X線望遠鏡 / 非球面 / レプリカ / 金型 / 合成石英 / 無電解ニッケル / 液体ジェット研磨 |
Research Abstract |
日本が主導し、欧米が国際協力することにより2015年の打上げを目指し、ASTRO-H衛星の開発が進んでいるが、それ以降の硬X線望遠鏡開発計画が世界的に皆無であり、X線天文学の発展のためには、次世代の高性能硬X線望遠鏡の開発計画を早急に作成する必要がある。次世代のX線望遠鏡としては円錐近似でなく、正確な回転放物面と回転双曲面からなる軽量・安価な反射鏡製作技術の確立が急務である。軽量化のためには、金型から反射鏡基板を成形するレプリカ反射鏡を製作する方法が有利である。本研究は、そこで使用する回転放物面ならびに回転双曲面からなる超精密非球面金型を製作する超平滑面創成技術を開発することにある。 加工精度の極限を知るため直径100mmの無電解ニッケル材料を超精密ダイヤモンド切削し、切削条痕を除去するため流体ジェット研磨(Fluid Jet Polishing)を施し、ボネット研磨(Bonnet Polishing)を行うことにより平面度50nmP-Vを得た。各工程の表面粗さは、それぞれ3.35nm rms、1.69nm rms、0.287nm rmsであった。 NASAが開発した液晶用ガラス基板を合成石英製円筒金型の上に載せ、加熱・成形してX線望遠鏡基板とする方法の非球面化を図るため、210mm角、60mm厚の合成石英材料を半径200mmの円錐形に研削し、それをボネット研磨とパナソニック社の超高精度三次元測定器UA3P-500Hによる形状計測を繰り返すことにより、回転放物面からの形状誤差36.7μmP-Vを100nmP-Vに仕上げることができた。 フロート・ポリシングおよび流体ジェット研磨に共通する砥粒の高速流れと加工表面との相互作用をCOMSOL社のソフトウエア(Multiphysics Subscription)で解析するため、数値シミュレーションモデルの構築を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成26年度に3編の学術論文が発刊される予定であるなど、研究成果が顕著であるため。
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Strategy for Future Research Activity |
超精密研磨の物理学的シミュレーションを行うと共に、合成石英製非球面金型を完成させ、NASA/GSFCに送り、硬X線望遠鏡用金型として適しているかどうか調査研究する。また、この合成石英製非球面金型を研磨した経験から前加工としての研削が極めて重要であることを認識したため、超精密研磨の研究と共に、ダイヤモンドシートを貼り付けた新しい研削工具による超精密研削も手掛ける。 X線望遠鏡用の金型材料として、前加工の容易なグラファイトに炭化珪素を化学的気相成長させたものを上記の新工具による研削と超精密研磨で仕上げる方法も開発する計画である。
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Research Products
(9 results)