Research Abstract |
本研究では, 環境調和型高耐久性セメント系材料(green material)の開発および実用化を目指して, 副産物資源の成分, 粒度, 配合条件, 養生条件が諸物性に及ぼす影響を実験的に明らかにすることを目的としている。産業副産物であり, コンクリート製造時のCO_2排出量を削減させることができるフライアッシュ(FA), 高炉スラグ微粉末(GGBFS)は供用期間中に生じたひび割れをコンクリ一ト自らが閉塞させる優れた自己修復性を有することが明らかとなっており, その性能を有効に活用するとともに繊維補強等の最新の技術と複合することで高靭性, 高耐久性の新しい建設材料の開発を目指している。そのために, 平成25年度の研究では, FA, GGBFSおよび大規模工場の自家発電施設から排出される循環流動層ボイラー灰(CFB灰)を単独または混合して使用したセメント硬化体を作製し, その力学特性と耐久性、自己修復性能の評価を行った。 実験要因として, 各種混和材料の種類, 粒径および粉末度, セメント種別, 水結合材比, セメント種別, 養生条件を変化させて試験体を作製した。また試験項目は, 力学特性は材齢28日での圧縮強度, ヤング係数, 曲げ強度で評価している。一方, 耐久性は促進中性化試験および凍結融解抵抗性試験により評価するとともに, 初期・劣化後・修復後のそれぞれの段階でのポテンシャルとしての耐久性の変化を比較することで自己修復性能を評価している。なお, 自己修復性能の評価にあたっての凍結融解の付与方法として通常のASTM法だけでなく液体窒素を用いた迅速法も採用し, その影響程度の違いについても検討を加えている。
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