2013 Fiscal Year Annual Research Report
フッ化物透明セラミックスによる新規レーザー材料の開発
Project/Area Number |
13F03066
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
後藤 孝 東北大学, 金属材料研究所, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LIU Wei 東北大学, 金属材料研究所, 外国人特別研究員
|
Keywords | 透明セラミックス / フッ化物 / 放電プラズマ焼結 / 微細構造 / 透光性 |
Research Abstract |
本研究では、SPS法を用いて透明フッ化物セラミックスを合成とする。近年、透明フッ化物セラミックスは、酸化物よりも優れたレーザー媒質であると認識されつつあり、注目が集まっている。これまで、酸化物の多結晶透明セラミックスに研究は多く行われているが、フッ化物の多結晶透明セラミックスに関する研究は皆無である。本研究では、SPS法を用いて透明フッ化物セラミックスを合成する。一連の研究を通じ、SPSのプロセスパラメータ(昇温速度、焼結温度、保持時間、印加圧力)が、焼結体の緻密化過程と微細構造変化に与える影響について、系統的に明らかにする。また、本研究では、我々が開発した二段焼結法を適用したSPS法を用いて、透明フッ化物セラミックスを合成する。焼結後の熱処理プロファイルもまた、透光性や機械的特性に与える重要な因子であるため、これらの点についても、詳細に研究を行う。さらに、透明フッ化物セラミックスの微構造を丹念に調査し、単結晶体と比較することで、多結晶体におけるドープイオンの局在構造の制御や、微構造が光学特性に与える影響についての基盤的な研究となる。 平成26年度は、CaF_2粉末を用いて、SPS法のフッ化物セラミックス焼結プロセスへの適用性を明らかにした。SPSプロセスパラメータ(昇温速度1-100K/min、焼結温度1023-1273K、保持時間5-20min、印加圧力10-100MPa)が、焼結体の緻密化過程と微細構造変化に与える影響について調べた。得られた焼結体は、いずれの条件でも相対密度は95-100%であり、よく緻密化した。焼結温度を1023から1223Kに上昇させると、透明性は向上した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
SPSを用いて透明フッ化物セラミックスの合成に成功し、SPS法のフッ化物セラミックス焼結プロセスへの適用性を実証した。
|
Strategy for Future Research Activity |
さらに優れた透光性を示すセラミックスを合成するためには、微細構造と透光性の関係を明らかにする必要がある。微細構造と透光性の関係を丹念に調べながら、焼結条件の適正化する。
|