2013 Fiscal Year Annual Research Report
高出力・高エネルギー密度型リチウムイオン電池の研究開発
Project/Area Number |
13F03070
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
本間 格 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
TRUONG Quang Duc 東北大学, 多元物質科学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | リチウムイオン電池 / 超臨界流体合成法 / ナノ結晶 / オリビン化合物 / 正極材料 / LiCoPO_4 / ナノロッド / 表面修飾 |
Research Abstract |
平成25年度にJSPS特別研究員クアンドク博士との共同研究をスタートさせ、次世代リチウムイオン電池の有望な高エネルギー密度型正極材料であるオリビン化合物を研究対象として画期的なナノ結晶電極材料の合成法である超臨界流体合成法の応用技術を研究課題に選定した。5V級の正極電位が期待され高エネルギー密度特性を有しながらも安定性にも優れる次世代リチウム二次電池の有力電極材料と目されているオリビン系活物質LiCoPO_4の溶液合成法およびナノサイズと形態制御法の確立を平成25年度目標とした。平成25年度の共同研究では超臨界流体プロセスを適用してナノ結晶LiCoPO_4の低温・高速合成法(代表的合成条件としては400℃で6分間)の合成条件を見出し、得られた粒子の構造解析を行った。平成25年度の研究開発では、均一サイズナノ粒子の合成と形態制御を目的に超臨界流体合成を行う際に溶液中にアミン系界面活性剤(例えばHexamethylenediaamine)をコバルト塩原料(Cobalt acetate)と混ぜた後、超臨界流体中でone pot合成を行いナノ粒子を合成した。得られた粒子をX線回折および透過型電子顕微鏡観察した結果、流体中で短時間の合成でありながらオリビン構造を有したLiCoPO_4ナノ結晶活物質であり、単分散ナノ粒子の合成が可能であることが判明した。さらにアミン系界面活性剤の溶液中濃度を向上させることにより粒子形態をナノロッドやナノプレートに制御できることも判明した。さらにナノプレート型LiCoPO4ナノ結晶ではプレート表面が(010)面に配向しており、この面はリチウムイオンが挿入脱離する面方位であることから電極反応に適した結晶形態であることが示唆される。実際、これらを有機電解液を用いた電気化学セルにて充放電測定を行ったところ、ナノプレート、ナノロッド、ナノ粒子の順に活物質容量が大きく、(010)面に配向したナノプレート結晶が高容量型電極の活物質形態として有効出ることが明らかになった。平成25年度の共同研究成果は電池討論会と電気化学会の2つのリチウム電池関係の主要な国内学会で発表を行った。さらに走査型透過電子顕微鏡(STEM)観察を行い原子レベルの構造解析を行い、ナノ結晶合成開発の論文と合わせて、高IFの国際一流学術に3報掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
ナノ結晶を超臨界流体で合成するという先端ナノテクノロジーをリチウムイオン電池正極材であるオリビン構造ナノ結晶合成に世界で初めて応用して、最高レベルの精密合成を行うことが出来るとともに高電位オリビン正極であるLiCoPO_4の充放電サイクルによる容量低下の原子レベルメカニズムを解明したことから、高いインパクトファクター国際学術誌に3報の英文論文を発表することが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の推進方策としては、本間研究室が保有するナノ結晶活物質の超臨界流体合成技術をさらに多様な電極材料に展開し、酸化物、硫化物、有機無機ハイブリッドなど多種多様な電極材料のナノサイズ活物質合成に応用する。これらの新規ナノ結晶活物質の電池応用として、リチウムイオン電池のみならずプロトン型キャパシタ、全固体電池、多価イオン電池、マグネシムイオン電池などポストリチウムイオン電池として注目される次世代型二次電池の高性能電極材料に応用することとする。
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Research Products
(8 results)