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2013 Fiscal Year Annual Research Report

iPS細胞から誘導した角膜内皮及び上皮細胞シートのバリデーション評価法の確立

Research Project

Project/Area Number 13F03103
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

西田 幸二  大阪大学, 医学系研究科, 教授

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) DUNCAN Thomas, Joseph  大阪大学, 医学系研究科, 外国人特別研究員
Keywords上皮 / 角膜 / 量子ドット / ナノ粒子 / 細胞シート / タイトジャンクション / 品質評価 / 共焦点レーザー蛍光顕微鏡
Research Abstract

現在、角膜上皮障害を起こした患者への角膜移植手術において、細胞シート(口腔粘膜細胞シート)が用いられている。将来期待されるips細胞シートも含め、様々な種類の細胞シートを移植する前には細胞シートの品質評価を十分に行うことが求められる。本研究課題において、細胞シートに関する新たな評価ツールとして、量子ドットと呼ばれる蛍光性ナノ粒子を用いた。量子ドットはその粒子サイズに依存的な蛍光能を有する特徴を持つ。量子ドットを細胞シートに振りかけることで、量子ドットのサイズに依存した細胞シートへの量子ドットの浸潤が、蛍光色の分布として観察することができることが分かった。その結果、細胞シート表面・内部構造の品質情報や、電気抵抗値測定との相関によるタイトジャンクションの機能性評価を今回新たに行うことに成功した。より具体的には、タイトジャンクションが正常に機能している細胞シートは、細胞間の結合が密のため、量子ドットが細胞シート内部に容易に浸潤しない一方、タイトジャンクションの機能が弱い細胞シートは、細胞間隙を縫って量子ドットが細胞シート内部まで浸潤することが、この度の評価系の確立により明らかにできた。また量子ドットの浸潤の度合いは粒子サイズ依存的であった。すなわち粒子サイズが小さい緑色蛍光のナノ粒子(粒子サイズ : 4nm)は細胞シート深部まで浸潤したが、サイズが大きめの赤色蛍光の量子ドット(粒子サイズ : 12nm)は主に細胞シート表面に滞留する傾向が見られた。本結果は主に共焦点レーザー蛍光顕微鏡を用いることで定性的・定量的に明らかにできた。本新規方法論は、従来的な電気抵抗値による細胞シートの品質評価法では決して得られない様々な物性情報を新規に取り出すことができ、特に培養細胞シートのタイトジャンクションを中心としたバリア機能に関わる品質評価の実施に極めて有効な手段であると考えられる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

iPS細胞シートの品質評価を行うに先立ち、現行の角膜細胞シート移植に使用されている口腔粘膜細胞シートを対象として、本品質評価技術の確立とその有効性の確認が必要であった。正しい評価技術を確立するためには、安定した細胞シート評価系の確立も又必要であった。その結果、市販のヒト口腔粘膜細胞ソースを用いることで、安定的な細胞シート系の確立に成功し、それを元に本品質評価技術の確立に成功することができた。研究計画の進展はおおむね順調であり、現在、iPS上皮細胞シートを対象とし、本品質評価系により細胞シートの品質評価に取り組んでいる。

Strategy for Future Research Activity

H25年度において、量子ドットの利用によるヒト口腔粘膜細胞シートを用いた細胞シート品質評価系の確立に成功したため、H25年度の課題であるiPS細胞シートの品質評価法に引き続き取り組んでいくと同時に、H26年度の課題であるiPS角膜内皮細胞シートの品質評価についても取り組んでいく予定である。およそ研究計画通りの推進である。

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Published: 2015-07-15  

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