2013 Fiscal Year Annual Research Report
高プロトン伝導性を有する有機/金属ハイブリッドポリマーの開発
Project/Area Number |
13F03203
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
樋口 昌芳 独立行政法人物質・材料研究機構, 先端的共通技術部門, グループリーダー
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
R.K. Pandey 独立行政法人物質・材料研究機構, 先端的共通技術部門, 外国人特別研究員
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Keywords | 有機ノ金属ハイブリッドポリマー / プロトン伝導 |
Research Abstract |
【研究の目的】 有機/金属ハイブリッドポリマーフィルムのイオン伝導機構を解明し、優れたプロトン伝導性を示す材料の設計と合成を行うことを目的としている。用いる金属イオン種や有機配位子の違いだけでなく、ポリマーの製膜方法やポリマー鎖の配列制御など、有機/金属ハイブリッドポリマーフィルムのイオン伝導性を決める因子はいくつかあると考えられる。それらを検証し、ナノ物性測定を通じてイオン伝導機構を解明する。更に、本ポリマーフィルムを用いた湿度センサーへの応用や、燃料電池のプロトン伝導膜としての利用可能性を実証するとともに、実用化に必要な耐久性などの諸性能を明らかにする。 【平成25年度の研究実績】 当初の研究実施計画に従って、以下の5項目の研究を推進した。 (1)鉄やルテニウム等の金属イオン種を有する有機/金属ハイブリッドポリマーを合成した。 (2)合成したポリマーのフィルムを電極上に作製し、イオン伝導特性をインピーダンス法等により測定することに成功した。 (3)チャンバー内にポリマーフィルムを設置し、湿度を精密に制御しながらインピーダンス測定を行ったところ、湿度の上昇に伴い、ポリマーフィルムのイオン伝導性が著しく増加することを発見した。 (4)異なる温度でポリマーフィルムのイオン伝導性を測定し、アレニウス式を用いて活性化エネルギーを算出した。 (5)ポリマーの製膜方法やポリマー鎖の配列の違いがイオン伝導性に与える影響を調べた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究実施計画に沿って成果を得ており、「研究の目的」の達成度はおおむね順調であると判断できるため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度に得られた成果に基づいて、以下の5項目を推進する。 (1)対アニオンを有しない有機/金属ハイブリッドポリマーを設計・合成することで、伝導物質をプロトンに限定させる。 (2)得られたポリマーをフィルム化し、プロトン伝導特性をインピーダンス法等により明らかにする。 (3)異なる湿度条件下、ポリマーフィルムのプロトン伝導性を測定し、湿度との相関関係を明らかにする。 (4)異なる湿度でポリマーフィルムのプロトン伝導性を測定することで活性化エネルギーを算出し、プロトン伝導機構の解明に繋げる。 (5)ポリマーの製膜方法やポリマー鎖の配列の違いがプロトン伝導性に与える影響を調べる。
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Research Products
(2 results)