2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13F03208
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
徐 強 独立行政法人産業技術総合研究所, ユビキタスエネルギー研究部門, 上級主任研究員
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SUN Jianke 独立行政法人産業技術総合研究所, ユビキタスエネルギー研究部門, 外国人特別研究員
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Keywords | 水素 / 水素貯蔵 |
Research Abstract |
本研究では、広い温度領域において液体であり、水素と窒素への選択的分解が可能であり、充填容易且つ生成物(窒素)回収・再生不要であることから水素貯蔵媒体として高い可能性を持つヒドラジン水和物の優れた性質に着目し、高性能化学的水素貯蔵技術の確立を目的としている。金属配位高分子ZIF-8のナノ粒子を合成し、さらに、熱処理温度の精密制御により、カーボンナノドット(CND)を生成した。このように合成したカーボンナノドットを担体として用いて、NaOHの共存条件下で前駆体金属塩の還元により二金属PtₓNi_<100-+>@CNDs (x=0,10,20,40,60,80,90and100)触媒を合成した。300Kでヒドラジン水和物の分解反応を行ったところ、触媒活性・水素生成選択性は、Ni/Pt比に依存することが分かった。Ni_<40>Pt_<60>@CNDは、最も高い触媒活性を示し、7minで完全に水素を放出し(metal/H_2NNH_2=1:10)、TOF値は170h^‹-1›に達した。放出ガスの体積測定から、ヒドラジンの完全分解反応H_2NNH_2→N_2+2H_2が選択的に進行していることが確認された。また、反応速度は反応温度に依存し、298-323Kの温度領域では、温度上昇につれて、反応速度が増加することが分かった。比較実験として、担体CNDは本反応に活性を示さないことが確認された。また、担体を用いないNi_<40>Pt_<60>ナノ粒子触媒またはPVP保護Ni_<40>Pt_<60>ナノ粒子触媒のいずれも、Ni_<40>Pt_<60>@CND触媒よりも低い触媒活性を示すことが分かった。TEM観察により、CNDに担持されたNiPtナノ粒子の平均粒径は約2~3nmと小さく、高分散状態にあることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、研究計画に沿って、金属配位高分子・炭素材料を担体として使用して、合金超微粒子触媒を合成し、ヒドラジンの低温での選択的分解・水素発生に高い活性を有する触媒を開発した。研究計画通り順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度も、研究計画に沿って実験・研究を行い、触媒の構造・組成の最適化や反応条件の最適化を行うことにより、水素放出性能の更なる向上に取り組む予定である。研究計画を変更することなく、当初計画に沿った実験・研究を実施する予定である。
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