2013 Fiscal Year Annual Research Report
インド洋北西部マカラン沈み込み帯における津波ポテンシャルの再評価
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13F03314
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐竹 健治 東京大学, 地震研究所, 教授 (20178685)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HEIDARZADEH-KOLAEI Mohammad 東京大学, 地震研究所, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2013-04-26 – 2016-03-31
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Keywords | 地震 / 津波 / マカラン沈み込み帯 |
Outline of Annual Research Achievements |
1945年にマカラン沈み込み帯で発生した地震(M 8.0-8.3)について、ムンバイ(インド)とカラチ(パキスタン)の検潮所で記録された津波波形ならびにマカラン海岸の隆起・沈降のデータを用いて、この津波を発生した断層モデルを検討した。スペクトル解析によると、観測された津波波形のスペクトル解析を行ったところ、卓越周期はムンバイで22分、カラチでは40-50分であった。マカラン地震についての既往研究の断層モデル4つについて、両検潮所での津波波形を計算したところ、うまく再現できなかったため、その中のモデルを一つ選び、断層の位置・長さ・幅・深さ・走向・傾斜・すべり角・すべり量を変化させてパラメーター感度を調べた。その結果、断層はこれまで考えられていたよりも沖合の水深3000m付近に位置すると、ムンバイ検潮所での卓越周期を説明できることが分かった。パラメータースタディと波形のインバージョンに基づく新たな断層モデルは、長さ220 km、海岸付近でのすべりは4m,沖合でのすべりが10m(平均すべり量は6 m)というものであった。この断層モデルによるモーメントマグニチュードは8.3で、これまでの地震解析結果と調和的であり、検潮記録や海岸の隆起沈降(それぞれ約1m)を説明できる。一方で、沿岸での津波高さは1-6m程度であり、最大12-15mという観測値を下回っている。このことは、断層運動の他に海底地すべりなどの二次的な津波波源があったことを示唆する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は11月半ばに研究を開始したこともあり、予定通りの研究を行えず、経費の一部を繰り越したが、今年度はマカラン地震についての解析をまとめ、論文を投稿・公表できた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は最終年度であることから、研究のまとめを行う予定。
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Research Products
(3 results)