2013 Fiscal Year Annual Research Report
高圧実験に基づくリングッダイトとペロフスカイトのレオロジーとスラブの滞留への応用
Project/Area Number |
13F03327
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
山崎 大輔 岡山大学, 地球物質科学研究センター, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
FEI Hongzhan 岡山大学, 地球物質科学研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | マントルレオロジー / 転位回高圧実験 / リングウッダイト |
Research Abstract |
地球内部の深さ660㎞近傍に存在する地震波不連続面での物質ダイナミクスを理解するために、拡散クリープおよび転位クリープを想定したレオロジー構造を明らかにすることを目的としている。 そのため、まず、660km不連続面直上を主要に構成する鉱物であるリングウッダイトの単結晶を高圧合成する。合成した後回収した単結晶を、再度高圧下で変形させ、転位を増殖させる。この高転位密度のリングウッダイトをさらに高圧下でアニーリングし転位の消滅速度を求め、転位クリープでの流動則の確立を行う。 今年度は、この研究計画の内、リングウッダイトの単結晶合成を実施予定としていた。単結晶合成は問題なく遂行されるが、リングウッダイトの低圧相であるオリピンを用いた試験実験により、単結晶を高圧下で単結晶のまま変形させることが動的再結晶に伴い大変困難であることが明らかになった。そこで、単結晶ではなく多結晶体を用いることにした。多結晶体を用いる場合には、転位回復アニーリング過程においての粒成長を抑制する必要がある。そこで、変形温度や回復温度よりも合成実験での温度を高温として、十分な粗粒多結晶体を用いることと、シリカ成分を過剰に加え、2次相を出現させ、ピンニング効果を生じさせることにより粒成長を抑制することとした。 また、予備的実験により、転位の観察には、酸化デコレーション法および酸による腐食法は適していないことも確認した。そこで、透過型電子顕微鏡による観察を行うことを決定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験手法の確立において、当初予定していた単結晶を用いることは、不適であると判明した。その結果、実験手法の変更を余儀なくされているが、転位クリープの流動則の決定という目的に対しては、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
前述したように計画していた実験手法の改善を行った。多結晶体を用いることで、粒子ごとに転位密度が異なる可能性もあるので、転位観察を広い領域で行うことにより、多結晶体を用いることによる不利をカバーする予定である。ひとたび、実験手法が確立されたら、その後の実験は順調に遂行されると思われる。
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