2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13F03330
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
福往 俊一 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SUPUR Mutafa 大阪大学, 大学院工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 人工光合成 / 光捕集 / 電荷分離 / 水素発生触媒 / メタルフリー / トリフィリン / ナフタレンジイミド / 集合体 |
Research Abstract |
当研究室では、これまで分子複合系人工光合成の実現を目指して、光捕集から電荷分離、水の還元による水素発生、水の酸化による酸素発生、CO_2固定まで、光合成の各ステップを化学の力でより効率的に行う研究に幅広く取り組んでいる。また、酸素の還元触媒についても、選択的に酸素を2電子還元して過酸化水素を生成させる金属錯体触媒及び選択的に水まで4電子還元する金属錯体触媒を開発している。過酸化水素の酸化触媒、還元触媒を組み合わせた過酸化水素燃料電池の開発にも取り組んでおり、水素発生触媒についても、均一系の金属錯体触媒だけでなく、形状及びサイズを制御した金属ナノ粒子触媒を用いて水からの効率的な水素発生触媒系を開発している。本研究では、新たな光合成反応中心モデルとして金属イオンを全く含まない有機物のみの化合物を水の還元触媒として用い、水の酸化触媒との複合化を目指している。水の還元による水素発生は貴金属触媒が通常用いられているが、トリフィリンという化学物を水の還元触媒として用いる予定である。この化合物が水の還元触媒として機能することは、予備実験の結果からわかっているが、その詳細に関しては分かっていなかった。最近、水の酸化触媒を有機化合物で置き換えた初めての例が報告されたが、有機化合物が水素発生触媒になる例は、これまでに報告されていない。このトリフィリンをこれまで研究に取り組んできたナフタレンジイミドの集合体と融合させることで、メタルフリーで高効率な水素発生触媒系の構築を目指している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在、トリフィリンをはじめとするいくつかの有機化合物による水素発生特性の電気化学的スクリーニングを終えたところである。
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Strategy for Future Research Activity |
トリフィリンなどの有機水素発生触媒とナフタレンジイミド誘導体との複合化を検討し、光水素発生の可能性の有無を調べる。
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Research Products
(2 results)