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2013 Fiscal Year Annual Research Report

生体反応機構および協同現象解明のための大規模系局所振動解析の開発

Research Project

Project/Area Number 13F03331
Research InstitutionKyushu University

Principal Investigator

青木 百合子  九州大学, 大学院総合理工学研究院, 教授

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) JIN Lin  九州大学, 大学院総合理工学研究院, 外国人特別研究員
KeywordsElongation-vib法 / Elongation-構造最適化法 / Elongation-MD法 / 糖鎖
Research Abstract

ホスト研究室では、従来から大規模系への超効率的かつ高精度電子状態計算法として、ELongation法を開発してきた。Elongation法は、Active領域(B+M)に対するHessianを、高分子鎖が伸長するたびに計算するため、振動解析のための部分Hessian行列を取り扱うのに適した方法である。本方法をGAMESSに組み込んだElongation法と結合するためのプログラム開発を開始している。超効率的ポテンシャルエネルギー面構築法の開発として、小分子に対する領域局在化軌道に基づく局所振動解析法の構築とテストを行い、巨大生体分子の効率的構造最適化の検証反応物と生成物の同定、IRCへの展開の準備をおこなっている。
当該外国人特別研究員はこれまで、当研究室と同じプログラムGAMESSにおける、Vibrational Self-Consistent Field (VSCF)法を用いた振動解析の研究を行ってきており、生体内における振動解析には実績がある。しかし、ホスト研究室で長年開発を重ねてきたElongation法については全くの素人であるため、本方法に関する論文を勉強し、プログラムソースコードを解読することに専念している。
まず開発のためのウォーミングアップとして、応用計算を通してプログラムの内容を学んでいる。応用例として糖鎖の一つであるキシレンオリゴマーをとりあげ、ELG-構造最適化法により、水が付加した場合の局所的構造最適化計算を行い、Active部分の挙動において興味深い結果を得ている。糖鎖のような非常に柔らかい系においても、Elongation-局所構造最適化法により、最適化後の全エネルギー差10-6au/atom程度で、正しい構造と電子状態が得られることを確認した。反応部と逆の末端は構造がFIXされるため、最適化を行う必要がないことの証明がなされており、これに対して、Elongation-MD法を適用し、さらにグローバルな最適構造を得ることに成功している。これらの応用計算を通して糖鎖のような柔らかい系に対しても本方法が有効性であることを示し、また本人の理解度も深まってきたため、局所振動解析法の課題に戻り、Elongation-vib法の開発に取り組むところである。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

課題内容が、本人のバックグラウンドに関係するものの、ホスト側で開発してきたElongation法については全くの素人であり、プログラミングについての経験もなかったため、内容の理解と勉学に時間をとられているが、その割には応用に関して既に興味深い結果を得ており、おおむね順調と言える。

Strategy for Future Research Activity

本課題は、ホスト研究室の四半世紀に渡る多くの研究者による開発の上に立った、さらなる開発であるために、初めて取り掛かる場合には、相当の内容の理解のための勉強がまず必要である。本人のプログラム開発能力を磨き、実際にElongation振動解析法の開発のためのプログラミングを行うための能力を養うことが必要である。一刻も早く局所振動解析法をElongation法に導入することが必要であり、そのための勉強時間を十分とりつつ応用計算も並行して行うことが、その後の課題の効率的展開には必要と考えている。

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Published: 2015-07-15  

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