2015 Fiscal Year Annual Research Report
金をベースとした多種合金ナノクラスター触媒の設計と不活性結合の低温での活性化
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13F03333
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
櫻井 英博 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00262147)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DHITAL RAGHU NATH 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2013-04-26 – 2016-03-31
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Keywords | 合金クラスター / パラジウム / 白金 / 炭素ーフッ素結合 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでにAu/Pd合金系を用いることにより、不活性結合である炭素ー塩素結合の低温での活性化に成功し、その主な要因が、合金表面上の金とパラジウムの接合面における協同的な酸化的付加過程にあることを明らかにしてきた。また同様の考え方に基づき、さらに不活性な結合である炭素ーフッ素結合の活性化がPd/Pt合金系で実現することを見出し、イソプロピルアルコールを溶媒及び還元剤として用いることで、室温での触媒的脱フッ素化反応を実現した。 最終年度の研究では、主としてこの反応機構の解明について詳細な検討を行った。既に本系が通常の水素化脱ハロゲン化反応とは異なり、アルコール水素が水素源となる、いわゆるプロトン化脱ハロゲン化反応であることを実験的に明らかにしていたが、さらなる検討により、イソプロピルアルコールと芳香族フッ化物が金属表面上に共吸着した時にだけ反応が進行することを明らかにした。すなわちどちらの基質が欠けても反応は進行せず、この両者が共に表面に吸着すると、アルコールのOH部分の酸化的付加がパラジウム上で起こり、その近傍の白金上で炭素ーフッ素結合の活性化が進行し、その時の活性化エネルギーが、単独の酸化的付加と比較すると10kcal/mol以上も活性化エネルギーが低下し、室温付近で十分に反応が進行するレベルとなることを初めて明らかにすることができた。 以上のように、この非常にユニークな炭素ーフッ素結合の活性化のメカニズムのほぼ全容を明らかにした。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)