2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13F03337
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
山本 尚 中部大学, 総合工学研究所, 教授 (20026298)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BHADRA Sukalyan 中部大学, 総合工学研究所, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 触媒 / アルドール合成 / 酸 / 塩基 |
Outline of Annual Research Achievements |
高性能ルイス酸複合型ブレンステッド酸触媒や、ブレンステッド酸複合型ブレンステッド酸触媒は「複合酸触媒」として広く内外で用いられているが、今後は、さらに新しいタイプの触媒設計と、その合成への広範囲な応用が本研究の実施に向けての重要課題となっている。1,10-オルソフェナンスロリンと光学活性ビナフトールとの組み合わせに着目して研究を進めた。この場合に、フェナンスロリンは塩基として、ビナフトールは光学活性ブレンステッド酸として挙動すると予想した。この2つの官能基を適切な方法で架橋して新触媒を調整した。この触媒を用いていくつかの反応を試みた。特に、ジアルキル亜鉛を等モル加えることで、フェナンスロリンの塩基性を飛躍的に増大させることに成功した。例えば、シンプルなアルドール反応に調整した光学活性触媒を加えることで、直接的不斉アルドール合成が速やかに進行する。ここでは、求核剤であるエノラートを予め調整するのではなく、系内の触媒の塩基点でケトン体から発生させ、続いて、ブレンステッド酸点であるビナルトールが原料なアルデヒドのカルボニル酸素をプロトン化して活性化することで、アルドール合成が円滑に、また立体選択的に進行する。これによって炭素-炭素結合合成の短段階化に成功した。工程の短縮化は環境に優しい化学合成に必須の特色であり、本反応の成功は、今後の有機合成の於けるアルドール合成に止まらず、広範囲な反応群の工程短縮化に寄与すると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
非常によい塩基と酸の組み合わせに成功し、また、亜鉛を用いることで酸点に影響を与えないことを発見したためである。同時にチタンを用いることで、新しい展開がみられている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、オルソフェナンスロリンのアルファ位やベータ位に様々なアリール基やアルキル基を導入すること。また、光学活性ビナフトールの3,3’位に様々な官能基を導入すること。架橋構造を検討することで不斉収率の向上を図りたい。更に、チタン反応剤を用いることで、不斉酸化反応に展開している。
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