2013 Fiscal Year Annual Research Report
自在に設計可能な分子ノギスによるグラフェンの層数に基づく分離
Project/Area Number |
13F03339
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
小松 直樹 滋賀医科大学, 医学部, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LIU Gang 滋賀医科大学, 医学部, 外国人特別研究員
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Keywords | フラーレン・ナノチューブ / 分子認識 / 分離 |
Research Abstract |
ホストーゲスト化学に立脚したグラフェンの層数に基づく分離が本研究の主題であり、その中心的役割を担うのは、我々が分子ノギスと呼ぶ、コア、コーナー、レセプターの3つの部分からなるホスト分子である。 既に我々のグループでは、コアにアントラセン、コーナーにカルバゾール、レセプターにポルフィリンを配した分子ノギスを鈴木カップリング反応により合成しており(G. Liu, N. Komatsu, et. al., J. Am. Chem. Soc., 135, 4805, 2013)、それを用いた単層カーボンナノチューブ(SWNT)の選別を行った。その結果、これまでに行ってきた分子ピンセットを用いた分離から予想されるとおり、右巻き、左巻きと直径の選別がなされ、さらに、比較的大きな直径(1.0rm以上)を有する光学活性SWNTが得られた。一方、こ. れまでの結果からは予想できなかった金属的なSWNTが半導体的なものに比べ、優先的に得られた。以上のことから、この分子ノギスは、SWNTの巻き方、直径とともに金属的性質をも識別することが明らかとなった。 この分子ノギスのレセプターのポルフィリンを市販のピレンに代えることで、分子ノギスをより高収率、簡便に合成できると考えられる。そして、平成25年度、予定通りにその合成を完了した。さらに、これを用いて、まず、単層カーボンナノチューブの分離を試みたところ、ピレンのパラ位にt-butyl基を導入することにより、直径0.90-0.99nmの金属型SWNTが選択的に抽出されることが明らかとなった。この成果は、Chem. Eur. J.に掲載されるとともに、そのイメージが表紙に取り上げられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2枚のピレンを有する分子ノギスの合成を完了し、それを用いた単層カーボンナノチューブの分離を試みたところ、ピレンのパラ位にt-butyl基を導入することにより、直径0.90-0.99nmの金属型SWNTが選択的に抽出されることが明らかとなった。この成果は、すでに論文発表を終えた。
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Strategy for Future Research Activity |
申請書にある計画通り、今年度は、これまでに合成してきたポルフィリン、もしくはピレンを有する分子ノギスを用いたグラフェンの層数による分離を試みる。
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Research Products
(16 results)
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[Journal Article] Design, synthesis, and preliminary ex vivo and in vivo evaluation of cationic magnetic resonance contrast agent for rabbit articular cartilage imaging2013
Author(s)
T. Irie, K. Oda, A. Shiino, M. Kubo ; S. Morikawa, N. Urushiyama, S. Aonuma, T. Kimura, T. Inubushi, T. Oohashi, and N. Komatsu
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Journal Title
Mde. Chem. Commun.
Volume: 4
Pages: 1508-1512
DOI
Peer Reviewed
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