2013 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ金クラスターの三次元精密集積による蛋白質ケージ触媒の開発
Project/Area Number |
13F03343
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
上野 隆史 東京工業大学, 大学院生命理工学研究科, 教授 (70332179)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MAITY Basudev 東京工業大学, 大学院生命理工学研究科, 外国人特別研究員
|
Project Period (FY) |
2013-04-26 – 2016-03-31
|
Keywords | 生物無機化学 / 超分子 / 蛋白質 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、タンパク質複合体により形成されるケージ分子を使った様々な金属微粒子の合成が報告されている。金属微粒子を閉じ込めたタンパク質ケージは、生体適合性を有する触媒やイメージング材料 として有用であり、大きな注目を集めているものの、合成する微粒子の数やサイズを精密に制御する手法が確立されておらず、高機能化については未だ大きな課題が残されている。そこで、本研究では、タンパク質ケージの分子設計による金ナノクラスターの精密合成とその触媒活性制御を目指した。具体的には、分子基盤として用いる鉄貯蔵タンパク質フェリチンの内部に、金イオンと安定な結合をフェリチン内部表面に精密に並べ、金イオンの集積サイト を作成した。特に、金の集積のスナップショット解析を結晶構造解析による実験では、一度、金イオンをフェリチンに集積させ、結晶化し、その後、架橋材で結晶を安定化したのち、還元剤で結晶内部のフェリチンに集積した金イオンを還元し、その構造変化、ならびに、イオンのフェリチン内部での移動を大型放射光施設にて高分解能のデータの収集によって達成した。これらの結果から、実際に結晶化されたフェリチン内部での還元反応により金イオンはその集積場所から移動して新しいクラスター構造を形成することが明らかとなった。これらの結果をもとに、さらに様々な条件下で結晶内の反応を追跡しそれらの比較から金イオン集積反応のメカニズム解明の系の確立に至った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
フェリチン内部空間への配位プログラミングには変異体作成が重要な鍵を握る。これまでの研究から、フェリチン内部に取り込まれた金属錯体は内部の三回対称軸チャネルと集積サイトと呼ばれる、His, Asp, Glu, Cys等の配位性アミノ酸残基が多数存在する二ヶ所の結合領域に集積する事を明らかとした。
|
Strategy for Future Research Activity |
さらにこの知見から新たな金属錯体の導入にも成功し、人工金属酵素では報告例のないカスケード反応に挑戦する。
|
Research Products
(1 results)