2013 Fiscal Year Annual Research Report
非メバロン酸経路を標的とする新規複素環含有抗菌剤の合成と評価
Project/Area Number |
13F03344
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大神田 淳子 京都大学, 化学研究所, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PARVATKAR Prakash Tukaram 京都大学, 化学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 非メバロン酸イソプレノイド生合成 / dxs / 阻害剤 / 抗菌活性 / ヒドロキサム酸誘導体 / H. Influenzae / ケトクロマゾン / ライブラリスクリーニング |
Research Abstract |
本研では、細菌が持つ非メバロンイソレノイド生合成経路(MEP経路)の初発酵素dxsを阻害する合成化合物をライブラリから見出し、新規な作用機序を持っ低分子抗菌剤を創出する。この目的を達成するために、本年度は、96-well plate readerフォーマットで実施可能なin vitro活性スクリーニング法を確立した。具体的には、まずH. Influenzae菌由来のdxsを大腸菌から発現し、His-tag法で精製し、数ミリグラムのdxsを取得した。Dxsによるピルビン酸とグリセロアルデヒド(GA)の縮合反応効率は、ピルビン酸の残量を乳酸脱水素酵素(LDH)で還元する際のNADHの消費量を紫外光吸収強度の変化から算出することで定量する、カップリング反応を用いることで評価する。すなわち、96 wellプレートにピルビン酸、GA、補酵素であるチアミン2リン酸、dxsを加え、37度で40分反応させたのち、反応溶液をNADH, LAHを含む緩衝液が入った別のwellに移し、340nmの吸収強度を測定した。その結果、ピルビン酸の濃度と吸光度変化の間に良好な相関関係があることを確認できた。 除草剤として古くから知られていたクロマゾン誘導体が、dxsに対して極めて強い酵素阻害活性を示すことが知られている。これまでに我々は、クロマゾンの代謝産物であるケトクロマゾンおよびその開環体であるヒドロキサム酸誘導体が、H. Influenzae菌に対して良好な抗菌活性を示し、その標的酵素がdxsであることを突き止めている。このアッセイ系においてヒドロキサム酸誘導体の阻害活性を評価したところ、これまでの結果と良い一致を示した。次に、内在性脂肪酸および内在性低分子ライブラリの150化合物をスクリーニングしたところ、有意に阻害活性を示す化合物を見出した。今後はヒット化合物について慎重に再現性や濃度依存的阻害活性を確認し、構造展開を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
発現精製したDxsを用い、プレートリーダーによるhigh-throughputスクリーニング系を確立できた。さらに脂肪酸や内在性低分子ライブラリの一部についてスクリーニングを完了し、阻害活性を示すヒットを見出すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度申請者が所属ずる研究室には7万個の低分子化ロライブラリが所れている。本プロジェクトでは当初複素環化合物のライブラリ合成を計画していたが、dxs標的型新規抗菌剤ならびに抗マラリア剤開発という目標を早期に達成するため、当研究室所有のライブラリをスクリーニングする計画に変更した。我々がこれまでに見出したdxs阻害剤はヒドロキサム酸誘導体であるため、次年度はヒドロキサム酸誘導体のライブラリスクリーニングを計画し、高活性かつ今後の構造展開が期待されるヒット化合物の取得を目指す。
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Research Products
(1 results)