2015 Fiscal Year Annual Research Report
非メバロン酸経路を標的とする新規複素環含有抗菌剤の合成と評価
Project/Area Number |
13F03344
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大神田 淳子 京都大学, 化学研究所, 准教授 (50233052)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PARVATKAR PRAKASH 京都大学, 化学研究所, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 非メバロン酸経路 / 抗菌剤 / ライブラリ / ジテルペン / 14-3-3阻害剤 / 細胞内中分子合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、MRSA やNDM-1 産生菌に代表される多剤耐性菌が、医療現場で蔓延し致死性の感染症を引き起こすことから、重大な社会問題となっている。これらの菌はラクタム系抗菌剤などの従来の抗生物質に対する耐性を遺伝的に獲得しているため、新しい作用機序で抗菌活性を示す薬剤の開発が早急に求められている。本研究では、細菌が持つ非メバロン酸イソプレノイド生合成経路(MEP 経路)を阻害する低分子化合物を化合物ライブラリから見出し、新規抗菌剤開発に向けた基盤構築を目的とした。一方、細胞内信号伝達系を構成するたんぱく質相互作用(PPIs)は、ポストゲノム時代の新しい創薬標的として広く注目されているが、一般に広く浅い作用面が低分子創薬を難しくしている。近年分子量が600~1万程度の中分子群がPPI阻害剤として期待されているが、一般に細胞透過性が低い等の課題がある。本研究では、ジテルペン系天然物を利用した細胞内中分子合成とPPI制御も検討した。 本年度は細胞内中分子合成に注力した。アルデヒド含有天然物とオキシアミノ基含有ペプチド断片を設計し、14-3-3を鋳型とする縮合反応を検討したところ、反応は速やかに進行し24時間後に90%の収率で対応する縮合体を与えた。この反応は細胞内でも40%程度の収率で進行したうえ、極めて強い細胞成長阻害活性を示した。免疫沈降実験により14-3-3とcRafの結合に及ぼす化合物の効果を検証した結果、縮合体は顕著に結合を減弱させることが判った。以上の結果から、細胞内で発生させた天然物とペプチドの縮合体が、14-3-3相互作用を阻害して顕著な細胞増殖抑制活性を誘導したと結論し、米国化学会速報誌に発表した。本研究の成果は、細胞内たんぱく質間相互作用阻害剤の新しいプロドラッグの概念を提唱するものとして意義あるものと考えられる。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(12 results)