2013 Fiscal Year Annual Research Report
先進的医用画像解析のための細胞周期を考慮したセル構造の数理的モデル化
Project/Area Number |
13F03348
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
長橋 宏 東京工業大学, 像情報工学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ATUPELAGE C. J. 東京工業大学, 像情報工学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | セルサイクル / 顕微鏡画像 / 細胞分裂 / テクスチャ情報 / マルチフラクタル / 3次元構造 / ボリュームレンダリング |
Research Abstract |
本研究の中では, 細胞の分裂過程のパターン化とそのパターンに基づくセルサイクルの分類法の確立が重要な課題の1つである. そこで, 研究の第一段階として, セルサイクルを分類するためのソフトウエアの整備を行った. 併せて, 細胞の3次元構造を可視化するためのボリュームレンダリングシステムの構築も行った. また本研究では, チャイニーズハムスターの卵巣細胞とC-elegans細胞を対象として. それぞれの細胞分裂を観測した画像を準備した. チャイニーズハムスターについては, 位相差顕微鏡による12時間の連続フレームによる画像を, また, C-elegansについては, 初期段階から数世代先までの分裂過程を微分干渉顕微鏡で奥行を変化させて観測した4次元時空間画像を用いた. なお, この4次元時空間画像は共同研究先の理研より提供を受けた. 続いて, 細胞内の構造表現法について検討を行った. 細胞内には, 細胞核の他に複数の液状要素が存在する. 従って, 各要素の形態学特徴を明示的に定義することは困難である. そこで, 病理画像のテクスチャ表現で申請者らが用いたマルチフラクタル特徴記述(Multi-Fractal Description ; MFD)法を利用して細胞のテクスチャ表現を行った. チャイニーズハムスター卵巣細胞表現では, 画像中の各細胞領域と培養液との分離においても, フラクタル特徴が効果的に利用可能であった. セルサイクルの分類においてもMFD法は有効であり, さらに細胞の形状情報の付加によって94%程度の精度で細胞分裂期段階を特定する可能であることが明らかとなった. このMFD法の有効性を検証する目的で, 一般的なテクスチャ画像データベースの回転に対する頑強性を評価した. その結果, MFD法が他のテクスチャ表現に関する従来手法と比べて回転に対して安定な特徴表現が可能であることが明らかとなった. 一方. C-elegansについては, その内部構造を可視化するための特徴抽出法としてMFDに基づく特徴表現法を検討し, そのシステムを作成中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究を遂行する上で必要となる十分な量の細胞画像を入手, あるいは継続的に入手することが可能となったこと, また, それらを処理するための研究環境の整備が整ったことによる.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き, MFD法による特徴表現にもとづいて, 細胞の内部構造変化およびセルサイクルの分類を自動化するための研究を行っていく. 特に, C-elegans細胞については, 免疫染色等を行わずにその3次元構造を可視化する技術の開発に注力していく.
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Research Products
(3 results)