2014 Fiscal Year Annual Research Report
ヒートポンプサイクルにおけるナノ流体の動特性の解明
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13F03357
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
党 超鋲 東京大学, 新領域創成科学研究科, 准教授 (30401227)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PENG Hao 東京大学, 新領域創成科学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 微細流路伝熱 / 液膜厚さ / 表面張力波 / 流動様式 / 非共沸冷媒 / 凝縮伝熱特性 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請時の研究内容は,ヒートポンプにおけるナノ流体の伝熱特性だったが,特別研究員が来日後研究内容変更の要望があって,マイクロチャンネルにおける相変化伝熱特性へ変更した. 本研究では,微細流路を流れる気液二相流の流動様式と液膜厚さ,気泡速度と圧力損失を,レーザー共焦点変位計と高速度カメラを用いて,実験測定と理論解析を行った. (1)流動様式については、円管において液相の表面張力が小さい場合,チャーン流が低みかけ速度において観測されるようになった.一方で,流動様式に与える粘性の影響は小さい.(2)気泡速度について,実験結果と既存研究における相関式がおおむね一致する結果が得られた.また,本実験条件においては,管径の違いや液相の物性による気泡速度への影響は小さい.(3)スラグ流における液膜厚さについて,液相の表面張力が低い条件では,既存の相関式よりも実験値が低い値を示し,特に管径が大きくなるに従って,その乖離も大きくなる.環状流における液膜厚さは,液相表面張力が小さい実験条件では,気液界面乱れやすく波が小さくなる傾向がある.また,粘性係数大きい実験条件においては,気液界面が乱れた際の波大きくなる.(4)圧力損失については,粘性係数と表面張力両方の影響を受ける結果が得られた.(5)表面処理(疎水性処理、親水性処理)を施したガラス管内における気液二相流の流動様式の変化が見られた.液膜厚さと圧力損失の実験値大きさは疎水性,表面処理なし,親水性の順で大きくなる.(6)気液界面における乱れを考慮すことよって,液相の物性による影響を考慮した液膜厚さ予測モデル提案した. 液膜挙動の数値計算手法および理論モデルの構築を行い,VOF-Levelset モデルを用いてスラグ流の気泡速度および環状流の波動特性を再現できた.また,物理モデルを用いて広い管径,流体物性条件における矩形管内の液膜分布の予測ができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は非共沸冷媒の微細流路における凝縮伝熱特性のメカニズム解明のための薄液膜の直接計測と理論モデルの構築である.まず断熱状態において,気液二相流の流動様式,薄液膜厚さ,気泡速度と圧力損失についての管径,冷媒物性と表面特性の影響を実験と数値計算両面から検討した.予定の研究目的以上の成果が得られた.来年度には凝縮実験を中心に行う予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
矩形管,三角管における凝縮伝熱特性の実験計測と数値計算の実施と理論モデルの構築を行う予定である.まず断熱過程で得られた結果を整理して、細管内の流動様式遷移と薄液膜厚みの予測モデルの提案と数値解析における最適な自由界面捕獲モデルと乱流モデルの検証を行う。その結果を凝縮過程に拡張して、純冷媒の凝縮過程の実験と数値解析を行う。更に、純冷媒の数値計算モデルに,蒸気,液相内での物質移動モデルを追加し混合冷媒の凝縮伝熱性能の予測および実験結果との比較を行う.混合冷媒の凝縮過程における蒸気側、液相側の物質移動抵抗の凝縮過程への影響を評価する.また,管径の影響について,伝熱間の水力直径は2mm、1mmと0.5mmの結果を比較することで,乱流から層流への遷移領域における乱流抑制効果のよる伝熱性能の変化と伝熱モデルの構築を行う。最終的に非共沸混合冷媒の凝縮伝熱モデルを提案する.
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Research Products
(6 results)