2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13F03376
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堂免 一成 東京大学, 大学院工学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
XU Jiasheng 東京大学, 大学院工学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 光触媒 / 可視光 / 水分解 / 酸窒化物 / 水素製造 / 水処理 / 銅チタン化合物 / ナノ粒子 |
Research Abstract |
本研究の目的は、可視光を十分に吸収できる材料を開発し、それを用いて光触媒としての特性を向上させることである。代表的な光触媒として知られているのは酸化チタンであるが、これは吸収端が約400nmであり、紫外光しか吸収できない。その場合、自然光もしくは人工光源を用いたいずれの場合も光の吸収効率は低く、より長波長側の光(可視光)まで吸収できる化合物の利用が望まれる。ごく最近、所属のグループでLaTaON2という化合物をベースとした可視光応答材料が開発された。この化合物は価電子帯上端が浅い準位にあるN2p軌道から構成されるために、金属酸化物に比べてバンドギャップが縮小する。このLaTaON2のTaサイトにMgを導入することにより可視光で水の分解反応が進行することが見出されており、本研究ではLaTaON2およびLaTaON2 : Mgをベースとして、様々な異元素を導入し、高活性化を図る。また、系統的な探索を行うことにより、高い活性を示すための要因を明らかにしていく。 LaTaON2はペロブスカイト構造を有する化合物であるが、ここには二つの異なるカチオンサイトがある。Laサイトは、主にイオン半径が大きいCa, Sr, Ba, Li, Na, Kのようなアルカリ金属およびアルカリ土類金属が占有する。一方、TaサイトはLaに比べてイオン半径の小さいMg, Sc, Ti, Zr, Hfが占有する。これまでのところ、LaサイトをCa、TaサイトをScで置き換えることを検討した。その中で、LaTaON2もしくはLaTaON2 : Mgより高い水分解活性を示すものが見出されている。今後、他の元素置換や様々な光触媒反応への適応を検討していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
以前とは異なる新しい実験手法を多く習得する必要があったため、研究成果はまだ出ていないが、そのために必要な準備を行っている段階である。実験手法は既に大部分をマスターしたので今後は成果を出すための実験データの取得に移行できると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は頻繁にデータ整理とディスカッションを繰り返して系統的にデータを取得していくことを計画している。
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