2014 Fiscal Year Annual Research Report
非コードRNA が相同染色体を対合させる仕組みの研究
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13F03384
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
平岡 泰 大阪大学, 生命機能研究科, 教授 (10359078)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
YANG Hui-Ju 大阪大学, 生命機能研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 染色体 / 細胞核 / クロマチン / 分裂酵母 / RNA |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、染色体上に蓄積する非コードRNAが相同染色体対合に果たす役割を明らかにするために、RNAと相互作用するクロマチン因子を同定する。そのために、分裂酵母を用いて、減数分裂に特有に見られる染色体構造を分子遺伝学解析と蛍光顕微鏡解析により解析し、特にRNAの関与を明らかにすることを目指す。蛍光タンパク質を発現する分裂酵母細胞を作成し、これを蛍光顕微鏡により観察する。今年度は、非コードRNAの染色体への蓄積に関わるタンパク質を発見し、その相同染色体対合への関与を明らかにした。また、昨年度に発見した減数分裂に影響する核膜孔タンパク質について、さらに詳細な解析をおこなった。 1.非コードRNAが染色体に蓄積する仕組み 独自に作成したGFP融合ライブラリから核内にドットを作るものを検索し、RNAと共局在するクロマチン因子を選別した。これらの因子を欠損させることにより、相同染色体対合頻度が低下するものを選別した。この中には、RNAのポリA付加に関与する因子群が含まれた。このことから、転写されたRNAがポリA付加と連動して染色体に蓄積することが相同染色体対合に必要であることが示唆された。 2.減数分裂の進行における核膜孔タンパク質の役割 核膜孔タンパク質をコードする遺伝子を破壊し、減数分裂への影響を解析した結果、胞子形成に軽度の障害を示すものがあった。このうち Nup132遺伝子について、さらに詳細な解析を進め、減数分裂の進行において、染色体分離に影響することを明らかにした。この成果については、4件の学会発表を行うとともに、論文1編を投稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
染色体に蓄積する非コードRNAが相同染色体の対合に影響する仕組みの一端を明らかにすることができ、その関連タンパク質を同定した。また、減数分裂に影響する核膜孔タンパク質について、論文投稿に至った。
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Strategy for Future Research Activity |
減数分裂におけるRNAの役割を理解するために、これまでに同定したRNAと共局在するクロマチン因子に着目し、それぞれについて遺伝子破壊等により機能解析を進める。これらの解析から、減数分裂の進行を制御するRNAタンパク質複合体や核膜、核膜孔複合体、核内構造体の役割について理解をめざす。
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Research Products
(6 results)
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[Presentation] 分裂酵母の核膜孔複合体蛋白質Nup131, Nup132の機能解析2014
Author(s)
淺川東彦, Yang H-j, 大槻千鶴, 糀谷知子, 森知栄, 小坂田裕子, 長尾恒治, 小布施力史, 平岡泰, 原口徳子
Organizer
第32回染色体ワークショップ 第13回核ダイナミクス研究会
Place of Presentation
安芸グランドホテル、広島県
Year and Date
2014-12-16
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