2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13F03393
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
藤本 登留 九州大学, 農学研究院, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HERMAWAN Andi 九州大学, 農学研究院, 外国人特別研究員
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Keywords | 木材 / 乾燥 / 粘弾性 / クリープ / ドライングセット / 接線方向曲げ試験 / スギ / 温度 |
Research Abstract |
心持ち材の割れない低コスト乾燥技術が広く適応され普及してきているものの、樹種間の材質のばらつきが大きく、天然材料であるがゆえの宿命としてそれぞれの材質に応じた技術開発が必須である。そこで本研究では、これらに対し効率的な高温セット技術の開発に資するため、木材の粘弾性特性をレオロジーモデルで定量化を行い、その結果をもとに高温セット処理の実証試験を実施する予定である。25年度は, 各樹種心持ち材の表層部分の割れ幅方向のドライングセット形成にかかわる粘弾性試験を、片持ち梁形式の曲げクリープ試験により実施し, 水分定常状態、水分非定常状態におけるクリープ試験を行うための実験システム製作を行った。すなわち, 現有の恒温恒湿漕内の温度、湿度環境内で、木材の接線方向の薄片曲げクリープ試験の微小な変形が経時的に測定できるようにステッピングモーターによって微小曲げ変位を与えると共に, その際の反力荷重を小型ロードセルで測定できるシステムを作り上げた。現在はこのシステムを使い, 温度等環境条件別の曲げ試験を行っており, その強度性能を参考に, クリープ試験を行う負荷応力を決定し, クリープ試験に移る予定である。 木材乾燥を念頭に置いた粘弾性特性試験は, 温度や湿度, さらには含水率など一般的な環境下では困難な測定系を必要とし, 今回創り上げた恒温恒湿装置内での静的曲げ試験システムは, 温度や湿度条件を幅広く取ることができるものとして重要な意義を持つ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年25度後半から恒温恒湿装置内で試験可能な曲げシステム(静的, およびクリープ)を, ゼロから創り上げることができた。しかし, そのシステムの部品の選定, および作製にほとんどの期間を費やすことになり, 予備試験が十分できてなく, 26年度から行うところである。
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Strategy for Future Research Activity |
今回創り上げた恒温恒湿装置内での実験システムを使い, スギ心持ち材の表層にあたる接線方向薄片の静的曲げ試験およびクリープ試験を行う。特にクリープ試験において, は水分定常状態の他に水分非定常状態の試験を含め, 低温から100℃以上の高温まで可能かを検証する。 可能となった試験条件の範囲内で, さらに樹種をスギと共にヒノキ, マツ, カラマツの日本主要構造材に拡げて測定を行い, 適性乾燥スケジュールにつながると思われる粘弾性特性の樹種による違いをレオロジーモデル作成により明確化する。
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