2013 Fiscal Year Annual Research Report
バベシア原虫感染症における溶血性貧血の分子機構の解明
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13F03398
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
西川 義文 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CAO S 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | バベシア原虫 / Babesia microti / Babesia rodihaini / 自己抗体 / 赤血球 / 血小板 / 溶血性貧血 / 貧血機序 |
Research Abstract |
バベシア原虫は、マダニによって媒介され、人や動物の赤血球内に寄生し、重篤な溶血性貧血を引き起こす病原体である。動物のバベシア原虫感染症は、世界的に広く流行しており、獣医学領域で最も重要な感染症のひとつとして取り上げられている。しかしながら、バベシア原虫感染症に対する有効な治療・予防法はいまだに開発されていないのが現状である。その主な理由の一つとして、バベシア原虫感染症における溶血性貧血機構がいまだに解明されていないことが挙げられる。そこで、本研究ではバベシア原虫感染症における溶血性貧血の分子基盤を解明し、新規治療・予防法開発のための突破口を拓くことを目指す。本年度に実施した内容と成果は下記の通りである。 1. マウスにバベシア原虫(B. microti、B. rodhaini)を感染させた後に定期的に血液を採集し、血清中に赤血球および血小板成分に反応する自己抗体が感染初期において有意に上昇することを明らかにした。また、これらの自己抗体の主なサブクラスはIgG2であった。 2. 正常マウスの赤血球と血小板の膜成分を2次元電気泳動にて分離した後、上記自己抗体を用いたイムノブロットを行ったところ、自己抗体と反応するいくつかのタンパク質スポットを特定できた。 3. MALDI-TOF-MSによる自己抗体に反応する赤血球と血小板のタンパク質成分解析の予備実験を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね当初計画したとおり進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は自己抗体により認識される赤血球及び血小板成分を特定し、自己抗体の上昇と貧血などの病態進行の関連性を解明して行く。
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