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2014 Fiscal Year Annual Research Report

バベシア原虫感染症における溶血性貧血の分子機構の解明

Research Project

Project/Area Number 13F03398
Research InstitutionObihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine

Principal Investigator

西川 義文  帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 准教授 (90431395)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) CAO Shinuo  帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 外国人特別研究員
Project Period (FY) 2013-04-01 – 2016-03-31
Keywordsバベシア原虫 / Babesia microti / Babesia rodhaini / 自己抗体 / 赤血球 / 血小板 / 溶血性貧血 / 貧血機序
Outline of Annual Research Achievements

バベシア原虫は、マダニによって媒介され、人や動物の赤血球内に寄生し、重篤な溶血性貧血を引き起こす病原体である。動物のバベシア原虫感染症は、世界的に広く流行しており、獣医学領域で最も重要な感染症のひとつとして取り上げられている。しかしながら、バベシア原虫感染症に対する有効な治療・予防法はいまだに開発されていないのが現状である。その主な理由の一つとして、バベシア原虫感染症における溶血性貧血機構がいまだに解明されていないことが挙げられる。そこで、本研究ではバベシア原虫感染症における溶血性貧血の分子基盤を解明し、新規治療・予防法開発のための突破口を拓くことを目指す。本年度に実施した内容と成果は下記の通りである。
1)ネズミバベシア(B. microti、B. rodhaini)に感染したマウスの血清中に赤血球・血小板に対する自己抗体の上昇をELISA法にて検出出来た。この自己抗体は、感染直後から検出され始め、パラシテミア(感染赤血球比率)上昇に伴い上昇した。また、自己抗体のピークはパラシテミアのピーク後に現れた。
2)自己抗体のIgGサブクラスを調べたところ、IgG2a優位の自己免疫反応であることが判明した。
3)正常マウス赤血球・血小板のタンパク質成分を2次元電気泳動で展開した後に、自己抗体を用いてイムノブロットを行ったところ、計5種類の特異反応タンパク質が検出された。
4)上記で検出されたタンパク質について質量分析(MALDI-TOF-MS)を行ったところ、赤血球・血小板の骨格と膜の形成に関わるスペクトリンα1とβアクチンが特定出来た。これらの結果から、抗スペクトリンα1と抗βアクチン抗体がバベシア原虫感染症における溶血性貧血に関わる可能性が示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

自己抗体を誘導する原虫側因子の特定が予想通り進んでいないため。上述のように、これまでにバベシア原虫を生きたままマウスに感染させると血球に対する自己抗体を誘導することを明らかにし、また、自己抗体に認識される血球タンパク質の特定にも成功した。しかし、虫体感染赤血球を死滅させたのちにマウスに投与すると自己抗体の誘導が確認出来なかった。これにより、原虫側因子の解明が遅れている。

Strategy for Future Research Activity

1)自己抗体と貧血の関連性の解析:自己抗体に認識される赤血球・血小板成分タンパク質の遺伝子をクローニング・発現し、組換えタンパク質の免疫による特異抗体の上昇と貧血の関連性を解明する。
2)原虫側因子の解明:虫体感染赤血球を死滅させたのちに、虫体タンパク質の濃度や投与経路等について、自己抗体が誘導できる至適条件を検討する。その次に、自己抗体誘導に関与する虫体側因子の特定を試みる。

URL: 

Published: 2016-06-01  

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