2014 Fiscal Year Annual Research Report
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13F03744
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
竹本 佳司 京都大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (20227060)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MARCH Taryn 京都大学, 薬学研究科(研究院), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 脱炭酸型アルドール反応 / アルデヒド / 2-アミノマロン酸ハーフエステル / 3-ケトグルタル酸ハーフエステル / シンコニンスルホンアミド触媒 / アンチ-β-ヒドロキシ-α-アミノ酸 / δ-ヒドロキシ-β-ケトカルボン酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
δ-ヒドロキシ-β-ケトカルボン酸やβ-ヒドロキシ-α-アミノ酸は、多くの生物活性天然物のみならず脂質異常症治療薬であるスタチン類、抗菌剤に見られる重要な化学構造であり、活性発現のために必須のファーマコフォアーとして知られている。そこで、これらのフラグメント構造を効率的かつ触媒的に不斉合成する新たな手法を開発すべく研究に着手した。その合成戦略は、アルデヒドに対して3-ケトグルタル酸ハーフエステルあるいは2-アミノマロン酸ハーフエステルを反応させる脱炭酸型アルドール反応を利用するものであり、下記のような成果を得た。 δ-ヒドロキシ-β-ケトカルボン酸を目指した不斉反応では、収率の面では改善できたが、エナンチオ選択性に関しては最適化には至っていない。しかしチオ尿素やスクアルアミド触媒よりも最近我々が開発したベンゾチアジアジン型触媒が本反応には有効であること、そして第三級アミン部分を嵩高いビナフチル型にすることで68%eeまでエナンチオ選択性が向上することを明らかにした。 一方、β-ヒドロキシ-α-アミノ酸の合成を目指した研究では、2-アミノマロン酸ハーフエステルと芳香族アルデヒドとの反応をモデル反応として精査した。その結果、求核剤のアミン部はFmoc基でエステル部はPh基で保護したものが収率とエナンチオ選択性の面で好結果を与えること、さらに触媒に関しては、上記の結果とは逆に、チオ尿素、スクアルアミド触媒、ベンゾチアジアジン型触媒はいずれも低い選択性しか与えず、唯一スルホンアミド型触媒が良好なエナンチオ選択性を発現した。さらなる構造最適化を重ねることで、シンコニン骨格を有するスルホンアミド型触媒を新たに見出し最高80%eeまで選択性を向上させることに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
脱炭酸型アルドール反応に関する2つの検討課題のうち、δ-ヒドロキシ-β-ケトカルボン酸合成に関してはまだ反応条件の最適化を完了するには至っていないが、エナンチオ選択性の向上に関わる重要な部分構造についての情報は得られた。一方、β-ヒドロキシ-α-アミノ酸の合成においては、多岐に渡る触媒を合成しその中から新しい独自のスルホンアミド触媒を見出すことに成功し、基質の適用範囲と合成的な応用を検討する段階にまで至ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
δ-ヒドロキシ-β-ケトカルボン酸合成に関しては、今期に得られたエナンチオ選択性向上に関わる重要な部分構造情報を解析し、さらに反応条件の最適化と基質一般性について検討する予定である。また、β-ヒドロキシ-α-アミノ酸の合成においては、見出した最適な反応条件を活用して、基質の適用範囲と合成的な応用を検討するとともに、さらなる選択性向上を目指して計算化学を用いた遷移状態解析とその情報を基にさらなる触媒構造の最適化も行う予定である。
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Research Products
(1 results)