2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13F03760
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田中 一之 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (70188291)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PELUPESSY Florian 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2013-04-26 – 2016-03-31
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Keywords | 数学基礎論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,証明論,モデル理論,逆数学など現代数理論理学のいくつかの分野を融合して,証明不可能性の相転移現象を分析することにある.この現象の研究は主に1階算術に対してPelupessyの師であるWeiermannによって創始されたが,本研究ではさらに幅広い数学を扱う2階算術の諸体系に対してこの分析法を応用する.そのため,2階算術の諸体系と通常の数学との関係を明らかにする逆数学の結果と手法が有効になると予想され,Pelupessyは逆数学の研究チームとして実績のある田中研究室のセミナー等の研究活動に参加し,研究グループのメンバーと協力して,多項式時間計算に関わる弱い体系と記述集合論に関わる強い体系について,証明不可能性の現象について研究する. Pelupessyは前年度の研究準備を踏まえて,田中らとの共同研究をさらに推進した.まず、隣接ラムジー定理、ケーニヒの補題、ディクソンの補題、マクラガンの定理、ヒグマンの定理に対して有限化バージョンを考え、それらと、ある順序数の整列性との同値性を(WKLoで)示した.とくに,マクラガンの定理の有限化とIΣ2の同値性を独自に証明した.さらに、それらの命題の無限バージョンと一様性の問題について考察し,2階算術の強い公理系に対する証明不可能性の相転移現象について今後の研究につながる知見を得た. 得られた結果を取りまとめ,いくつかの学会や国際会議で報告し,また雑誌に投稿した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Pelupessyは、隣接ラムジー定理、ケーニヒの補題、ディクソンの補題、マクラガンの定理、ヒグマンの定理に対してそれぞれ有限化バージョンを厳密に分析し、田中とのセミナーで議論し、さらにサーベイ論文にまとめた.とくに,マクラガンの定理の有限化とIΣ2の同値性については独自の論文を準備している.それ以外にも新しい考察を含む多くの報告を学会や国際会議で行った.
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Strategy for Future Research Activity |
Pelupessyはマクラガンの定理など、様々な命題に対して有限化バージョンを考え、それらと、ある順序数の整列性との同値性を(WKLoで)示した.その証明法は、議論の土台となるWKLoの公理に強く依存しているのだが、それが真に必要かどうかはわかっておらず、それを決定するのが今後の重要課題の一つである.また、それらの命題の無限バージョンと一様性の問題について考察し,2階算術の強い公理系に対する証明不可能性の相転移現象についても研究を進める.
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Research Products
(4 results)