2013 Fiscal Year Annual Research Report
世界アート都市の研究:東京・横浜都市圏を事例として
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13F03773
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
町村 敬志 一橋大学, 大学院社会学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MORGNER Christian 一橋大学, 大学院社会学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 文化政策 / 世界都市 / アート / 都市開発 |
Research Abstract |
本研究は、東京・横浜地域におけるアート創造の社会的・文化的・経済的基盤を、国際的な比較の視点を取り入れながら探究することを、基本的な課題としている。具体的には、東京・横浜地区のアート事情とその社会的基盤、資料保存状況を具体的に解明するため、アートや文化の活動を支援する組織・機関の全体像を資料を用いて明らかにするとともに、それらの担い手のライフヒストリーやそこから生まれる創造性の背景を検討することをめざす。 第1年目に当たる平成25年度については、研究の基盤を固めるため、日本(とりわけ東京・横浜地区)のアート・文化に関わる基本的な動向を、収集された基本資料や先行する内外の研究をもとに整理・確認する作業をスタートさせた。あわせて、東京地区に在住するアーティストやプロデューサーなどアート関係者に対して、その全体像把握の一貫も兼ねて、資料収集と聴き取り調査を実施した。この過程で、アート活動の背景には、各時代・場所ごとの社会問題・政治的争点・文化的対立が分かちがたく結びついていることが明らかとなった。とりわけ、1960年代から1970年代にかけて「前衛」的な文化活動が次第に商業化の波と融合していく過程の今日的重要性を確認した。このことを踏まえ、東京地区の特性を明らかにするため、日本国内の大阪地区にっいて、1960年代から1970年代にかけて社会問題とアートの接点を支えた諸活動の資料が保存されている資料館(西淀川・公害と環境資料館(エコミューズ)、西成情報アーカイブ)を訪問し、資料収集を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した目的・実施計画と照らし合わせ、資料収集・先行研究の検討などは順調に進み、またその成果を踏まえ、大阪地区での資料収集を含め研究上の新しい進展が初年度である平成25年度から可能になった。東京都内におけるアート関係者からの聴き取りについては、その多様さを再認識した上で、計画を練り直しながら順次作業を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
第1に、東京・横浜地区におけるアート関係者からの聴き取りについては、その膨大さに対応するため、とくに1960年代・1970年代との連関という点、また、アート・スペースの形成という点に力点をおきながら、順次進めていくこととする。第2に、進行中の研究・調査の結果を順次、学会報告等の形で公表していくことにする。この際、国際比較を含め、世界的なアート都市形成の基盤についての分析枠組みを明確にした上で、今後の作業に生かしていくことをめざす。
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Research Products
(1 results)