2013 Fiscal Year Annual Research Report
1型糖尿病におけるTRPA1,TRPM2チャネル関与の検討
Project/Area Number |
13F03795
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Research Institution | Okazaki Research Facilities, National Institutes of Natural Sciences |
Principal Investigator |
富永 真琴 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(岡崎共通研究施設), 岡崎統合バイオサイエンスセンター, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DEROUICHE Sandra 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(岡崎共通研究施設), 岡崎統合バイオサイエンスセンター, 外国人特別研究員
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Keywords | 膵臓 / 1型糖尿病 / TRPチャネル / TRPM8 / TRPA1 |
Research Abstract |
TRPチャネルの1型糖尿病発症への関与の検討を主課題としている。来日してから数ヶ月であり、研究内容はそれほど大きく進んでない。mRNAレベルと蛋白質レベルでTRPM8とTRPA1の発現を、単離培養したマウス膵臓β細胞、マウス由来のMIN6細胞、ラットインスリノーマ由来のINS-1細胞、ラットランゲルハンス島腫瘍由来のRIN-5F細胞で確認した。また、TRPM8とTRPA1のそれらの細胞における機能的発現を、カルシウムイメージング法およびパッチクランプ法で確認しつつあるところである。カルシウムイメージング法では、TRPM8に関しては、刺激物質メントールと誘導体WS-12投与での細胞外カルシウム依存的な細胞内カルシウム濃度上昇を、TRPA1に関しては、共有結合修飾による活性化をおこす刺激物質AITCと共有結合修飾を介さない活性化物質carvacrolによる細胞外カルシウム依存的な細胞内カルシウム濃度上昇を観察した。パッチクランプ法では、全細胞記録法での上記化合物による応答電流の観察を始めたところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マウスTRPA1の膵臓β細胞での機能的発現は既に報告があるので、先ずその確認を行うことを第一目標とし、それはほぼ達成された。しかし、単離膵臓β細胞を含めた複数種の細胞でのパッチクランプ法によるTRPA1電流のクリアーな観察には至っていない。また、単離膵臓β細胞を含めた複数種の細胞でのTRPM8の遺伝子レベルおよび蛋白質レベルでの発現が確認できたのは大きな進展である。カルシウムイメージング法を用いた細胞内カルシウム濃度測定では、TRPM8刺激物質による細胞内カルシウム濃度が一部の細胞でしか観察されず、陽性応答はあると言えるものの、確実性がなく、同じように見えて膵臓β細胞がヘテロな細胞集団(TRPM8を持つ細胞ともたない細胞)である可能性もあり、慎重に解析を進めていかなければならないと考えている。カルシウムイメージング法での結果を踏まえた上で、パッチクランプ法による解析に進むことが望ましいであろう。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの成果を踏まえ、次のことを進めたい。① 単離培養したマウス膵臓β細胞、マウス由来のMIN6細胞、ラットインスリノーマ由来の INS-1 細胞、ラットランゲルハンス島腫瘍由来の RIN-5F 細胞で、TRPM8由来の応答をカルシウムイメージング法で確実に観察できるようにする。② 上記細胞で、TRPA1依存性応答を確認した上で、TRPA1 欠損マウスから調整した単離膵臓β細胞でカルシウムイメージング法とパッチクランプ法でTRPA1由来の応答を観察して、野生型細胞の応答と比較検討する。③ 上記細胞で、パッチクランプ法でTRPM8由来の応答を観察してする。その上で、TRPM8 欠損マウスから調整した単離膵臓β細胞でカルシウムイメージング法とパッチクランプ法でTRPM8由来の応答を観察して、野生型細胞の応答と比較検討する。④ 単離膵島からのインスリン放出を野生型マウス、TRPM8 欠損マウス、TRPA1 欠損マウス、TRPM8/TRPA1 ダブル欠損マウスから調整した膵島を用いて比較解析する。⑤ 野生型マウス、TRPM8 欠損マウス、TRPA1 欠損マウス、TRPM8/TRPA1 ダブル欠損マウスの体重、常時血糖、常時血清インスリン量を測定した後、経口および腹腔内グルコース投与による耐糖能試験を行う。
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Research Products
(1 results)