2014 Fiscal Year Annual Research Report
化学コントラストを有するAFMの実現に向けての研究
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13F03904
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川勝 英樹 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (30224728)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DAMIRON Denis 東京大学, 生産技術研究所, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | AFM / SPM / 同定 / 組成像 |
Outline of Annual Research Achievements |
今まではカンチレバーの最低振動周波数をプロットしていたが、取得した像がEb/LxLを表していることを示した。ここでEbはポテンシャルの谷の深さ、Lは減衰長を示す。像において複数のモースポテンシャルパラメーターがカップリングしているため、より厳密に試料の状態やポテンシャル場を求めるには、モースポテンシャルを規定する3つのパラメーターを独立して計測することが望ましい。この課題に対し、今年度は、試料探針間の距離を位置変調し、それに伴う自励周波数ωの変化を計測した。計算により、1ω成分がゼロになるように探針試料間距離を制御した場合、2ω成分とDC成分、ならびに制御にともない変化する探針試料間距離を用いることにより、3つのモースパラメーターの実時間計測が可能であることを示した。計算に要する時間は、周波数を電圧に変換する回路の時定数と、計測結果からモースパラメーターを数値演算するアルゴリズムの計算負荷によって決定される。本手法の有効性を確認するための一方法として、位置変調振幅を変化させ、それによるパラメーター同定への影響を調べた。結果として、位置変調振幅が1L程度の大きさの場合、EbならびにLの値がほぼ一定の値として求められ、実験条件によらず一定の値が得られることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
解析面では有意な成果を得ることができたが、実験面では、追試性の確保と、求められたポテンシャルパラメーターの定量的評価にまでは至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
背景力の影響を探針形状や修飾方法、ならびにポテンシャルの制御によって低減する。それにより、より正確に探針と試料原子によって生じるポテンシャル場のパラメーターマッピングを可能にする。本手法は、様々な変調技術を用いている。作動周波数を高め、変調の深さや、周波数を吟味し、また回路の所定数の見直しを行うことによって撮像速度の向上を図る。いままでの信号処理では散逸を考慮していなかったので、それを含んだ解析を行う。さまざまな試料に本手法を適応し、その有効性を示す。
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