2014 Fiscal Year Annual Research Report
microRNA及びmicroRNA制御因子による骨格パターン制御機構の解析
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13J00119
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
佐藤 天平 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | microRNA / microRNA制御因子 / 骨格パターン形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.Lin28aによる骨格パターン制御機構の解析 次年度は、Lin28a-/-マウスにおけるHox遺伝子群の発現異常を引き起こす原因の究明を行った。Lin28a-/-マウスでは特定のポリコーム遺伝子の発現低下が確認された。また、この遺伝子はlet-7の標的遺伝子である可能性が示唆された。Lin28aとのダブルヘテロマウスを作製した結果、ダブルヘテロマウスは、Lin28a-/-と同様の骨格以上を呈することが明らかとなった。このことから、Lin28aとポリコーム遺伝子群との間に遺伝的相互作用があることが示唆された。さらに、Lin28a-/-ではポリコーム遺伝子複合体のHox遺伝子領域への占有率が低下していることが明らかとなった。以上の結果から、Lin28a-/-マウスではlet-7の発現が亢進することでポリコーム遺伝子の発現及びHox遺伝子領域へのリクルートが阻害され、その結果Hox遺伝子の発現が脱抑制されホメオティック変異を呈することが示唆された。
2.Hox遺伝子座に存在するmicroRNAの機能解析 次年度は、初年度に作製したmir-10a, mir-10bの欠損マウス、及びmir-196a-1, mir-196a-2, mir-196bの欠損マウスの表現型解析を中心に行った。また、真獣類特異的なmir-615の欠損マウスを作製し、骨格パターン制御との関連を検討した。その結果、mir-10、mi-196欠損マウスにおいては、これまでの報告と同様にそれぞれ脊椎のパターニング異常が観察された。一方、mir-615に関しては骨格パターン形成には必須ではなく、mir-10、mir-196とは異なる生命現象に関与していることが示唆された。さらに、mir-196の表現型に着目し、表現型の直接の原因と考えられる標的遺伝子の3’UTRに存在するmir-196標的配列を欠損したマウスを作製した。このマウスでは標的遺伝子の異所性発現が観察され、その領域とmir-196の発現領域が重複することから、その領域では本来mir-196によって標的遺伝子の発現が転写後に直接制御されていることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
Lin28a-/-マウスの解析においては、表現型の詳細な分子メカニズムを明らかにすることが出来ている。また、Hox遺伝子領域に存在するmicroRNA(計6遺伝子)のノックアウトマウスの作製及び解析がほぼ完了している。さらに、新たに作製した3'UTR欠損マウスにおいても、興味深い表現型が得られている。以上のことから、計画以上に研究が進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
Lin28a/let-7によるポリコーム遺伝子の発現制御、それに続くHox遺伝子群の発現制御機構の重要性をより詳細に明らかにするために、Lin28a-/-で上昇しているlet-7の発現を抑制することで、表現型をレスキュー出来るかをin vivo及びin vitroで検討する。また、mir-196標的遺伝子3'UTR欠損マウスの解析を行い、microRNAと標的遺伝子の直接的な相互作用及び表現型との関連をマウス個体で明らかにしていきたいと考えている。また、可能であれば、その他の標的遺伝子に対しても同様の3'UTR欠損マウスを作製し、各標的遺伝子ごとの表現型を比較することで、より詳細なmicroRNAによる遺伝子発現制御機構の解析と個体発生における重要性を明らかにしたいと考えている。
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Research Products
(5 results)