2014 Fiscal Year Annual Research Report
イッテルビウム原子量子気体顕微鏡による次世代量子シミュレーターの開発
Project/Area Number |
13J00122
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山本 隆太 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 原子・分子 / 量子エレクトロニクス / 冷却原子 / 光格子 / 分光 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では、アルカリ土類型原子であるイッテルビウム(Yb)原子を用いた量子気体顕微鏡の実現、さらには実現した量子気体顕微鏡を活用し、ハバードモデルに従う量子多体系の局所的な性質を観測、解明していくことが目的である。ここで、量子気体顕微鏡とは、冷却原子系において極めて重要な技術である光格子中の原子を直接観測する技術である。この量子気体顕微鏡を実現するためには、光格子の格子間隔が光の波長程度(~100nm)であるため、光の波長程度の分解能が必要であり、さらに光格子中の単一原子を観測するため、高感度なイメージング系を構築する必要がある。 この難題を解決するために私は、開口数の大きな対物レンズの焦点位置および傾きを注意深く調整することで高分解能なイメージング系を実現し、さらに極めて深い二次元光格子中にボース同位体である174Yb原子を導入させた上で発光イメージングを行うことで、単一原子を観測可能なイメージング系を構築することに成功した。 実際に私は光格子の単一格子中の174Yb原子の観測に成功した。さらに、同一のサンプルに対して複数枚のイメージを得ることで、174Yb原子がイメージング中にほぼ動いていないことを確認した。これらの結果は、174Yb原子を用いた量子気体顕微鏡が実現したことを意味している。 さらにこのイメージング系とYb原子の重要な特徴である超狭線幅(1S0→3P2)の分光を組み合わせることで、光格子中のYb原子の局所的な操作に試みた。具体的には磁場勾配により、3P2(mJ≠0)状態に対して空間的なポテンシャル勾配を印可し、超高分解能分光を行った。その結果、二次元光格子中でほぼ一列に並んだ174Yb原子サンプルを用意することに成功した。 これによって、本課題における目的であるハバードモデルに従う量子多体系の局所的な性質の観測、研究が可能となった。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)