2015 Fiscal Year Annual Research Report
インターネットにおける社会関係資本形成の社会生態学的アプローチからの検討
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13J00175
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
THOMSON ROBERTJOHN 北海道大学, 文学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | インターネット心理 / ソーシャル・ネットワーク・サイト / 関係流動性 / 文化 / 自己呈示 / 自己誇示 / 自己開示 |
Outline of Annual Research Achievements |
インターネット、特にフェイスブックやツイッターを始めとした各種のソーシャルネットワークサイト(SNS)は、現在世界で約20億人が利用しているとされ、従来の地理的・政治的垣根を跳び越えて人々を互いに結びつける新たなコミュニケーション・メディアとして注目を集めている。本研究は、人々を取り巻くローカルな社会環境の特性が、彼らのSNSにおける行動と心理に与える影響を、国間比較調査を通じて検討するものであった。仮説は、先行研究でその広範な効果を明らかにしてきた関係流動性-当該社会環境における対人関係の選択の自由度 (Yuki & Schug, 2012)-が高いことが、SNSにおける自己宣伝行動の増加、プライバシー懸念の減少、調和維持行動の減少等の効果をもたらすというものであった。本研究の意義は以下の通りである。 1)理論的意義 本研究は、社会環境が人間行動に与えるインパクトについての理解を加速させる。近年、人間行動に対してマクロな環境変数が与える影響を明らかにするための理論的・実証的研究の発展が著しい。本研究は、ネット上における人々の「オンラインの」行動傾向が、それとは様相の異なる「オフラインの」社会環境の特性に影響される可能性を検討するという点で、従来にはない独創的な視点を有している。こうした視点は、現在急速に進行しつつある人間・社会科学諸分野の理論的融合の局面に新たな視点を加えたといえる。 2)応用的意義 SNSにおける人々の行動の文化差が存在することは従来から指摘されてきた。しかしながら、その原因を社会環境の特性の差異に求める試みは、本研究が史上初である。関係流動性という社会環境変数の影響を明らかにすることは、インターネットを利用した新たなビジネスや社会改善に向けた様々な試みに対して、当該社会の性質に応じたSNSデザイン等について有益な示唆を与えることを期待している。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)
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[Presentation] 1.The 12-item relational mobility scale: a 39-country cross-societal validation study2015
Author(s)
Thomson, R., Yuki, M., Kito, M., Schug, J., Kavanagh, C., Milfont, T., Visserman, M., Joasoo, M., Becker, M., Becker, J., Pliskin, R., Singh, P., Fulop, ...
Organizer
International Association for Cross Cultural Psychology Regional Conference
Place of Presentation
San Cristobal De Las Casas, Mexico
Year and Date
2015-07-28 – 2015-07-31
Int'l Joint Research
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